ノット・シュガーレス

 俺は仕事中に結構ガムを噛む方なのだけれど、選ぶのはもちろんシュガーレスキシリトール。歯医者に行くくらいなら、死んだ方がマシだと半ば真剣に思う俺なのだ。ところが、いくら各社揃って商品を出しているとはいえ、だんだん味に飽きてくるもの。そこで久々に普通のガムを買ってみた。ブルボンの「ライムガム」だ。
 俺は衝撃を受けた。ガムってこんな味だったな、と。キシリトールのはどれもこれも薄っぺらな味で、似たり寄ったりだ。それに比べ、このオーケストラが奏でるような多重の味わいは何だろう。これぞガムじゃないですか。何がキシリトールだ、くそったれ。……と意気込んでどうするというつもりもないけれど、何だかちょっと驚いた。たまには甘いお菓子も食べてみるものだ。