世界の頂へ

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昨年、無敗の3冠馬となり、今年4月の天皇賞・春(GI)を制したディープインパクト池江泰郎調教師は8日、同馬がフランスGIレースの凱旋(がいせん)門賞(10月1日・ロンシャン競馬場)に挑戦することを明らかにした。

 日本が誇る三冠馬、いや、四冠馬(……クラシック三冠+春の天皇賞で四冠なのだが、どうも三冠馬の方が響きがいいというかなんというか。ナリタブライアン有馬記念を入れて四冠だが、「三冠馬」の印象が強い。しかし、シンザンは「五冠馬」であり、シンボリルドルフは「七冠馬」である。それも間違いない)の海外遠征、狙うは‘キングジョージ’か凱旋門賞か。それでもって出た答えが凱旋門賞。まあ、「宝塚記念に出てほしいというJRAの望みが叶った」というような見方もできようが、それでも俺は凱旋門でよかったと思う。なぜなら海外遠征といえば凱旋門賞なのである。昔、ダビスタを愛した俺としては。
 まあ、ダビスタさっ引いても、凱旋門賞はいい。日本代表というスタンスで言えば、エルコンドルパサーの敵討ちでもある。出てこいモンジュー(の息子)という具合だ。むろん、敵は強力、斤量差で有利の三歳馬だって出てこよう。しかし、ロンシャンの深い馬場を嘘みたいに飛び抜けて、ヨーロッパのファンの度肝をぬいてやれ。もしもハーツクライとしのぎを削ったりしたら、ダービーと有馬記念がいっぺんに来たような大騒ぎだ。先走りすぎ、楽天的承知で、そのくらいの夢を見たっていいじゃないか。
 ロンシャンと言うと、故・野平祐二調教師のドキュメンタリを思い出す。彼はロンシャンの馬場を歩きながら「生まれ変わっても騎手になりたい」と言った。日本競馬のいろいろのホースマンたちの今や昔のいろいろの思いを乗せて、ゆけ、ディープ。