ヴィミー、ボンモー、そしてシンザン

 週刊ギャロップを買った。オークスの週から当たり前だ。久々のギャロップ、しかしオークスの本命はとっくに決まっている。アサヒライジング。その人気や評価の具合を探ろうというわけ。意外と大きく、カラー一ページの扱い。やはり、和風の母系と距離適性が論じられている。しかし、印の方はスカスカ。胸ふくらむ高配当の予感。
 消去法大作戦というコーナーがある。過去十年などを振り返り、たとえば「前走G1以外で五着以下の馬[0.0.0.32]」といった、シンプルなデータ分析。あまり条件を絞りすぎたりしない限り、普通に考慮されるべき予想方法だろう。このコーナーではそれをいくつも提出して、どんどん消していく。そこで、桜花賞一着〜五着馬のうち、アサヒライジングだけが消去された。しかし、一見してどこで消されたのかわからない。成績的な条件は満たしているはずなのだが……。
 ふと、変な条件が一つあることに気づく。「桜花賞馬以外で馬体重470kg以上」。調べてみると、なるほど、過去しばらくのオークス対馬桜花賞チアズグレイスを除いてそんなに大きい馬は一頭もいない。そのチアズグレイスオークス出走時に490kg。アサヒライジング桜花賞出走時に494kg、しかもそれ以前はすべて500kg超での出走。これは、思いがけぬ敵。
 しかし、どうだろう、あらためてアサヒライジングの写真を見てみよう。腹も引き締まって、ボテッとしたスプリンター、マイラー体型のそれには見えない。むしろ、牡馬にも引けを取らぬ雄大なグッドルッキンホース。むしろ、クラシックディスタンスでの本領発揮と見る。そんな馬が、牝馬では珍しいというだけだ。
 ……とまあ、いかなるデータが出てきたところで、人気薄目の贔屓馬を手放したりはしない。結論先にありき、なのだ。ただ、気になるのはここのところ異常に的中させている清水成駿の予想。昔はエリモエクセルに◎を打ったような気もする。これは多少気にしたい。トライアルではヤマトマリオンに孤高の◎で攻めたが、果たして本番は。そういえばそのヤマトマリオン、オペラハウス産駒というイメージとは違い、ダートでも芝でも雨が降るとからっきしだと紹介されていた。週末は天気の不安もあるので、この情報を拾っただけでもギャロップ買ったかいがあるというもの。いや、実際そんなコメントの馬が激走したりもするのだけれど。