ザサンデーフサイチはミスターセキグチの夢を見るか?

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(父) ザサンデーフサイチ
池江泰寿 (栗東) 牡2 鹿毛
父: ダンスインザダーク
母: エアグルーヴトニービン

 注目の4億9000万円馬の名前が「ザサンデーフサイチ」に決定した。
 「フサイチグルーヴ」のような直球か、はたまた「ミスターセキグチ」(id:goldhead:20060123#p2)のように変化球(これも直球?)かと思いきや、牽制球がキャッチャーミットにおさまったがごとき馬名、さすが日米ダービー制霸した男の考えることが違うと言わざるを得ない。
 しかしこの字面の座りの悪さは相当なものだ。「THE」が日本語では「ザ」でしかなく、中黒(・)もスペースも入り込めないことが日本馬から「The」を遠ざけてきたように思うが、これが国際感覚なのだろうか、「サ」との重なりも気にせずに乗せるあたりに凄みがある。ザキング、ザゴールド、ザラストワード、ザラストドロップ。ザカリヤは違う。外国馬ではザベリワン、ザティンマンなどであろうか、いずれもカタカナ表記では違和感があるが、しかしなぜ「The Very One」がザベリワンになったのかも気になるところであるが。
 ちょうど四文字と四文字で綱引きをしているようにも見える。左側は「ザサンデ」である。「サザン」や「デサント」などが頭をよぎる居心地の悪さもある。一見した見た目では「フサイチザサンデー」の方が冠名よりのちに畳みかける感があって良さそうにも思うが、意味にも関わることなのでそういうわけにもいかないのだろうか。いずれにせよ、タニオブザライアンに感じた意味の転倒はないのだが。あるいは、「Theサンデー」は日本テレビの江川の番組のことであったりするのだろうか。あれには、杉本清が出ていたと思うが。
 今さら言うまでもないが、私はどちらかといえば関口房朗のことが好きで、フサイチネットの会員ですらある。そして、この馬名の、発表前の憶測やもったいぶりかたも含め、底抜けのどうしようもなさが何ともいえず面白くてしかたない。競走馬の本質は競走と競争にあるが、馬名は単なる整理番号でもない。そんな中にあって、この馬がどうなっていくのか、はっきりいってこの血統に思い入れのない私が、一気に引き寄せられたのは偽りない事実なのである。