ZARDの坂井さんの死

http://www.nikkansports.com/entertainment/f-et-tp0-20070528-205407.html

ZARD坂井泉水が転落死

 はじめにハッキリと断っておくけれども、ZARDの音楽には興味はなかった。ビーイング系と呼ばれる楽曲は、どうにも性に合わなかったのだ。だけれども、やっぱりZARDが大流行し、その流行の対象であった世代を生きてきた者としては、このニュースに驚く。奇しくも24時間テレビのマラソンランナーが欽ちゃんに決まった次の日だけに驚く。享年にも驚く。
 が、驚いたといっても、「あの人が」という驚きとも違う。「あの人」の存在が、謎の存在だったからだ。俺が中高生のころのああいった雑誌やそういった雑誌では、坂井泉水さんになる前の坂井泉水さんの写真や何かがよく出ていたし、あるいは存在自体が疑われたり、見た目担当ではないかと言われたり、まったくもって謎だった。
 俺は楽曲に興味は無かったけれど、そういう存在としては、とても面白いと思った。ものすごいセールスを誇るバンド(個人? ユニット?)、でも、正体不明。SF的アイドル(『マクロスプラス』のシャロンとか、ディックの『聖なる侵入』のやつとか)とまではいかないけれど、この情報化のご時世にすごいものだと。まあ、ファンにとっては自明のことだったり、坂井さんのこともよく知っていたのかもしれないけれど、遠目にはそういう存在だった。なにかしら幻だった。年齢、という生々しいものをつきつけられると、ファンでなくてもやや意外に思う、そんな感じだった。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ZARD
 というわけで、あらためてウィキペディアなどで経歴を見てみる。正直な第一感を述べると、長い戦いの歴史、という感じがする。もっとも俺はそれぞれの曲などに思い入れもないからそう見えるだけなのだろうけど、やはりヒットチャート戦線で戦っていたのかな、という印象がある。メディアに露出なく、そういう立場にあったアーティストが、どんな心持ちで生きてきたのか、そのあたりも興味深いが、そんなことを言うにはまだ早すぎる。とにかく最後まで幻だった、合掌。