自由人36歳

俳優の小栗旬浅野忠信宮沢りえ瑛太が、江崎グリコのチョコレート『アーモンドプレミオ』『バンホーテンディアカカオ』のイメージキャラクターに選ばれ、国民的人気を誇るアニメ『サザエさん』(フジテレビ系)の25年後を描いたCM“25年後の磯野家”シリーズに出演することが、分かった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080909-00000000-oric-ent

 サザエさんといえば、こういったネタには敏感なんじゃなかったのだろうか。三谷幸喜が未来のタラちゃんを描いてみたらボツになったとか、そういう厳しさがあったのではなかったのだろうか。とはいえ、日本国民が避けて通って生きるのが難しいというサザエさん、とうぜん自分も古い古い古い漫画本や日曜日の定番として親しんできたものであって、やはり気になってしまう、とくに次の部分が気になった。

そして相変わらず野球ばかりしている自由人の36歳のカツオ

 なんだか途方もなく悲しい。ドラえもんのパロディでありがちな、「将来ひきこもりになってしまったのび太」を見るような、そんな気になってしまう。もちろん、これだけの情報では36歳のカツオが何をしているのかはわからない。収入もあるのかもしれない。プロ野球選手かも知れない。しかしどうも、この年齢のリアリティというのは。
 というか、僕が思うに、カツオは自由人ではないのだ、そもそも。そこに違和感がある。そりゃあもちろん、大人に叱られるようないたずらだってするし、どちらかといえば真面目な子ではない。しかし、ときおり見せる狡猾さ、大人に取り入る子供らしからぬごますり精神、あれこそがカツオの本質であって、将来はC調で出世街道を邁進するモーレツ社員、そういう方向じゃないのかね。なんだかんだいって、会社組織で出世するタイプ、俺はそう思ってたよ、カツオ。いつかはクラウン。まさか、お前、36にもなって野球ばっかりやってるなんてなあ……。
 とはいえ、我が身をふりかえればいったいぜんたい今現在どうかといえば、もう音信不通の行方不明であって、実物を見たところで憐れみの目で見られること必定の収入とチンピラみたいな見た目、漫画の心配なんてしていられないのであった。