いまさらの劇場版『BLOOD-C The Last Dark』を

 BLOOD-茶番とか言われてた本編のことは、ほとんど覚えていないのでありますが、ともかく茶番ということはしっかりと刻まれているのであります。そして、映画館に行くほどではないけれども、茶番の終わりを見届けねばなどと思って幾星霜……というのは大袈裟にせよ、ようやく鑑賞したわけでございます。
 結論から言いますと、TV版の設定とかまったく忘れていたけれども(ラジオで福圓さんが無茶ぶりでいじめられていたのは覚えていますが)、セーラー服と日本刀が小気味良く暴れまわってくれて、意味はほとんどわからないけれども、なんとなく爽快な後味の映画になっておりました。いや、ほんと。もうバッサリとTV版の回想なんかぶった切って肉片のひとかけらほども感じさせない潔さなのであります。いや、記憶に無いのだから、たとえばコーヒーがキーになるのが伏線だろうというようなものもあるかもしれませんが、ともかく潔くやっちゃってくれてるというところであります。
 いや、べつに大絶賛の嵐というわけじゃないのですよ、自分の中で。でも、存外悪くない、というところで、元のハードルが低いものですから、好印象というところなのであります。
 あとは……この『BLOOD』シリーズほかに知らないものです、とくに言うことはありません。強いていえば、少女ハッカーが手の外に足でキーボードを打つシーンに少しなにか見てはならないもの、言いようのない愛を感じてしまったのですが、下手なことは言いますまい。それではおしまいでございます。