そろそろ酒に壊されてきた

f:id:goldhead:20180516233525j:plain

酒はいろいろなものを壊す。こないだも名声のあるアイドルが酒を原因の一つとしてすべてを失った。

おれには名声がない。名声はないが酒はある。おれの酒はおれの名声を壊しはしないが、身体を壊す。

医者にそう診断されたのか? 違う。もっと単純な、人間が古来より持っている機能。すなわち、単に身体の調子が悪いのだ。そしておそらく、いや、ほぼ確実に酒の飲み過ぎが原因だ。

そう自覚できるくらいおれは酒を飲んでいる。休肝日などというものはない(休肝日は酒を飲む総量を減らすという点ではいいが、それ以外は特段意味のあるものではないらしいが)。

おれは一人で酒を飲んでいる。一緒に酒を飲む友人などいない。

おれは部屋で酒を飲んでいる。外で酒を飲む金はない。

おれはつまみなしで酒を飲んでいる。つまみを買う金がもったいないし、つまみを作る時間が面倒だし、つまみで太るのも嫌だからだ。

おれは割物なしで酒を飲んでいる。酒が薄まるのが嫌いだからだ。

というわけで、おれは一人、ステンレス製のぐい呑み(うっかり割ってしまわないからいいよな)に泡盛本格焼酎やラムやスコッチやジンを注いでは飲み干し、注いでは飲み干し、そのまま座椅子で寝込んでしまう。

(これは内緒なのだけれど、安アパートに帰ったらすぐにストロングゼロを飲み干したりしている)

三宝産業 Migaki Meister ぐい呑み 85ml 内面ミラー 11001000

おれは向精神薬を飲んでいる。抗不安薬抗精神病薬睡眠導入剤。そこにさらに酒を注ぎ込んで、脳みそが楽になるのを待っている。

待っていても、脳みそは楽にならなくなった。二十年も昔は、缶チューハイ350ml飲んだだけで(当時はストロングゼロなどなかった)ハイになれたものが、なにも起こらなくなってしまった。

それでもおれは酒を飲む。身体的依存とでもいうのだろうか。アルコール依存症については勉強中だ。

いずれにせよ、身体が悲鳴を上げている。かなり日中気分が悪い。午前中は最悪だ。内臓が重い。腹の調子も悪い。

酒を飲んでもあまりいい気持ちになれないのに、身体が気持ち悪くなる。これは損だ。

ただ、今のところの損得関係はその程度だ。おれは酔っても自宅に呼べるJKの知り合いなどいない。暴力を振るう相手もいないし、物を壊したりすることもない。たまに酒をこぼすくらいだ。

さあ、どうしたものだろうか。とりあえずネパールのヒエ酒でも飲みながら考えるか? いや、さすがに今日は日中ひどくて、午前中も仕事にならなかった。半分寝ていて、断続的な夢を見た。だから、今日は飲まないことにした。今はシラフだ。ジラフでもない。ジラフってなんだっけ。

それにしてもアルコールの強さよ。こないだ珍しく情報番組を見ていたら、人気ラッパーが麻取にガサ入れされている映像(ちょこんとベッド正座するラッパー。「これで全部」「そうです」「あ、まだあるじゃない」「もっと見つかったら罪が重くなるかと思って」「あとからわかったほうが重くなるんだよ」)が流れていたが、大麻なら誰かが叱ってくれる。ところが、酒などはスーパーで買おうがコンビニで買おうが「ありがとうございます」だ。あ、でも大麻も売人から「ありがとうございます」って言われるのかな。知らないけど。

というわけで、今、おれはシラフ。薬は飲んだけど、シラフ。

酒、やめようか。なにか、飲んでいてもどうなるでもないし、飲まないでいてもどうなるわけでもない……、いや、やっぱり正直に告白すると不安心がやわらぐ、ひょっとしたら消える。それは薬だけではどうにもならないところをカバーしてくれる。だいたい、こんな地獄にいて、本当に、飲まなきゃやってられないんだ。

減酒、というのが現実的なラインだろうか。でも、減酒、なんてのは幻想であって、意味がないのではなかったっけ。

「減酒外来」記者が体験 正直に記録 「適量」を把握

と、思ったら、有名な久里浜の病院が減酒外来なんてやってる。減酒が幻想というのはアルコール依存症に陥った人間に対しての言葉だったかな。

アルコール依存症。おれはべつにおれがアルコール依存症であってかまわないのだが、実のところいろいろなチェッカーで調べてみると、この記者と同じく「危険な飲酒群」だったりするのが微妙なところだ。だが、血液検査もなにもしていない。なにより、おれの身体が「もう無理っぽい」と言っている。

でも、ひょっとしたら精神疾患が進行していて無理になっているのかもしれないし、一歩深いところに鬱転するようになったのかもしれない。酒がそれを後押ししている可能性もある。

野村総一郎監修『新版 双極性障害のことがわかる本』を読む - 関内関外日記

 アルコールや薬物に依存する率は高く、とくにアルコール依存は双極性障害過半数に合併しているとみられます。肝機能障害などの身体疾患を発症するおそれがあり、自殺リスクを高めるという大きな影響もあります。

しかしなんだろう、おれが死んだところでせいぜい三人くらい悲しむだけのことだし、もとより生涯自殺率の高い双極性障害、天寿と呼べるようなものを期待しちゃいない。そもそも、金もないし、生きる気力も器量もない。もうそろそろキリのいい年齢になるし、自壊してってやろうか。それも悪くない。

そんなふうに考えるおれはシラフだ。

ところでジラフってなんだっけ?

 

 

 

こないだ読んだ世界の酒の本で紹介されていたご当地酒で、唯一ネパールのロキシーというのだけAmazonで買えた。が、ヒエはネパール産だが日本で作られていて、まあちょっと毛色の変わった焼酎かな、というくらい。

 <°)))彡<°)))彡<°)))彡<°)))彡

<°)))彡<°)))彡<°)))彡<°)))彡

<°)))彡<°)))彡<°)))彡<°)))彡

d.hatena.ne.jp

d.hatena.ne.jp

d.hatena.ne.jp