キャベツが少ねえ!
そう思ったのは消費税増税の前だったか、後だったか、ちょうどそのときだったか。おれがそう思ったのは、昼飯に買う100円ローソンのサラダという名の「ほぼキャベツの千切り」についてだった。「ほぼキャベツの千切り」のパックが、どう見ても、縮んでる! そう思った。おい、減るな!
写真は100円ローソンの「ほぼキャベツの千切り」ではない。ミニストップの「ほぼキャベツの千切り」だ。いや、ミニストップの名誉のために言えば、これは「コーンの入ったほぼキャベツの千切り」であって、「コーンの入ってないほぼキャベツの千切り」というのもある。いずれにせよ、100円ローソンもミニストップも「ほぼキャベツの千切り」の量が減ってんじゃねえか!
消費税増税、あるいは天候による不作。たしかにおれの愛する「スーパーあおば」でもキャベツは高かった。それにしたって、キャベツ減ったら、おれはなにで腹を満たせばいいんだ。米を食えというのか。おれは糖尿病禁忌の抗精神病薬飲んでんだ、ちくしょう、困るじゃねえか。
ああ、これがシュリンクフレーションいうものか。おれは正直、おれが食わないから、ポテトチップスの量が減ろうと、ヨーグルトの量が減ろうと、あまり気にしなかった。むしろ、減ったほうが国民の健康に寄与するんじゃねえかとすら思っていた。とんだ思い違いだった。おれのキャベツの千切りが減って、そう思った。あ? ニーメラーの警句。おっとそれにはおれ、懐疑的なんだ。
ナチスが社会民主党を攻撃していたとき、共産党はナチスと一緒になって社会民主党を攻撃していたのだ。そんなことはあとになってからじゃないとわからない。
そうだ、いまが、後だ。おれはポテトチップスの袋の中身が空気ばかりになったとき、カルビーを攻撃するべきだったのだ。そんなこと、おれの昼飯の生キャベツの千切りが減って気づくことだ。悲しいかな、人間というのはなかなか気づくことができない。自分が買う、100円くらい(税別)のキャベツの千切りの量が減って、初めて気づくんだ……。
おれほど聡明で懸命に生きている人間ですら、そうなのだ(突っ込み禁止)。だから、お前らも気をつけるべきだ。そういう声が聞こえてきたら、警戒すべきなのだ。ベリヤの最後くらい、警戒すべきなのだ。おれが言いたいのは、そのことだ。それに比べたら、キャベツの千切りが減ることなんて……やっぱり面白くねえ! おれに腹一杯のキャベツの千切りを食わせろ! 100円くらいでだ! それだけだ。
以上。
……この乾燥キャベツ買うと、けっこうな間、「すごいキャベツたくさんのカップ麺」あるいは「カップ焼きそば」が食べられるので、わりといいです。