- ◆ナメリカ・安住
- ダウンタウン松本が可愛がってもいなければ、仲良くもなく、何より笑ったことがない……という手紙をわざわざ松本が書いて寄こした芸人さん。月収五十万というバイトは化粧品の実演販売。これはなんだろう、マジモン以外の何者でもない。特にこの時間では、テレビとして別の何かが成立してしまう。
- ◆犬の心・池谷
- ハマチの姿造り。六キロほどのハマチを五万円の包丁で捌く捌く。これも料理人以外には見えない。会話もなにも。「味が重いわ」とは東野幸治の名言か。
- ◆西村ステッキ・清水
- 女芸人登場。高速スタンプ押しの瞬間芸は本日一番の笑いか。
- ◆西村ステッキ・伊藤
- 片割れ登場で出オチ状態。シャリ20g判定の神の手。多少の誤差はあったが大したもの。
- ◆どりあんず・堤
- SMグッズ販売員。亀甲縛り。この股への食い込みはテレビ的にアリなのか。しかし、一番芸人らしいといえば芸人らしい……か? しかし視聴率は取りそうと思ったら、千原兄弟兄が対抗して実演。これはほぼ縄師の実演ショー? こりゃすごいわ。やはり魂の入り方が違う。しかし、千原兄弟とはこういうキャラであったか。
- ◆とろサーモン久保田
- 最後は元おさわりパブ店長。月収六十万円級とあって先頭バッターと同レベルの完成度。イっちゃてー、イっちゃってー、吸って吸われて、舐めて舐められって、これも凄いわ。そして、やり終えた後のテンションの下がり方も凄いわ。
それにしても芸人というものは恐ろしい存在だ。特に安住氏と保田氏に感じることだが、彼らの話術なり人を惹きつける能力というのは、バイトの身分で一般サラリーマン並かそれ以上の稼ぎをたたき出す、稀有の能力である。しかし、だ。俺はナメリカもとろサーモン(こちらはバイト生活を抜け出した方のようですが)も知らない。そんな稀有の能力の持ち主たちの中の、さらに一握りしかテレビに登場できない。テレビに出ては、お茶の間に「こいつは面白い」、「あいつはつまらない」と気軽に言われるお笑い芸人だが、そこに来るまでの競争の恐ろしさを考えると、背筋が凍る思いである。全ての芸人に幸あれ。