ザワークラウト戦記2

その1→http://d.hatena.ne.jp/goldhead/20070116#p3
 買った食べ物をだめにしてしまうほど悲しいことはない。彫刻刀一本ダメにして開けたザワークラウトならなおさらだ。しばらくドイツの夕食だ。
 はじめは炒めたのだから、次は煮込む。ジャガイモ、タマネギ、そしてソーセージ。ソーセージは「スーパーBOO」なる米国産で、安価、そして美味。安全性など知ったことではない。ジャガイモは電子レンジで加熱。
 味もつける。コンソメひとかけら。ローズマリー、鉢植えからもぎたて。安ブランデーも入れる。効果は知らない。胡椒、多め。オールスパイスオレガノ。効果は知らない。
 主役のザウアークラウトは多めに。多めにの一歩向こうの多めに。それでも、煮込むとボリューム減るみたい。もっともっと入れてもいいみたい。そして、煮込んだクラウト、酸味も減る。しかし、ザウアー汁しみ出したスープ、これが美味。味つけの量は控えめにして正解だったみたい。
 「酸っぱいあったかい汁物」は、日本料理にあまり見られないのではないか。かといって、俺の無知によれば、海外でもトムヤムクンや中華の「‘酸’の字が名前に入ってる麺もしくは湯」くらいしか思いつかない。二十を過ぎて酸味に目覚めた俺にとって、このザウアー汁は好もしい。「スーパーBOO」も粗挽きマスタードなどさらに塗って食って美味。ビールも合う。
 俺もドイツ人のうだつの上がらない中年男のように、イモとビール、ソーセージで太るだろうか。キャベツの分だけ健康でいられるだろうか?