最近流行りの中華街

 最近は中華料理ブームのようで、連日テレビで餃子や何かが紹介されており、ちらりと横浜中華街なども映るものだから、すっかりその気になって今日の昼は中華街で飯を食おうということになった。寒いから麺を食おうということになった。
 中華街で麺となるといろいろあるわけだけれど、俺は刀削麺をおすすめしたい。日本国内で独自の発展をした、いわゆるラーメンやその原型を中華料理屋で食ってもいまいち物足りないケースが多いように思うからだ。餅は餅屋、ラーメンはラーメン屋。しかし、刀削麺となるとかなり確実に食べ応えと味で満足できるからだ。……などと言いつつ、中華街で刀削麺食えるところは二つしか知らない。というか、ほとんど中華街行ってないです。

 今日はこの「杜記」へ。例によって店外に行列ができていたが(だいたいの場合、スルーしてもう一つの刀削麺、京華楼へ行く。あっちは店が大きいから)、今日はタイミング良く少なめ。しばらく待って相席で入店。待ってる間にも悩んでいたが、さあ、何を頼もうか。

 そうだ、俺にはこの店で失敗体験があった。ゆえに、選ぶべきはあの美味の五目そば……なのだけれど、連れがまたそれをチョイスしそうな感じ。となると、かぶってしまう。かぶったりするのはいやだ。あと、新しいメニューを選んでしまう生来の性格。それに、ちょっと肉食いたい、肉、男の子だし……。
 で、注文。まず俺が「高菜牛肉」、そして「五目」。と、ここで店員のおばさん「五目二つ?」と。あ、俺の最初のオーダー通って無かったんだ。あれ、どうする? せっかくだし、あの「五目」か? と、結局俺の口から出たのは「高菜牛肉ね」。
 高菜牛肉は少々しょっぱかったが、美味であった。肉も冷えてはいなかった。高菜の大きなかたまりには酸味があって、ザウアークラウトのような味がしてよかった。もちろん、麺の歯ごたえ、全体のボリュームにも満足。
 ……なんだけど、やっぱ最後一口五目のスープいただいたら、これがもう「うわ」ってくらい美味しくて、やっぱり五目だよねー。ああいうチャンス(「五目二つ?」)をしっかりキャッチできていたら、人生も踏み外さないし、万馬券もちゃーんと拾えてるよねーって思った。