森美術館『マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート』へ行くのこと(おもしろかったやで)

久々にアートの展覧会というものに行った。森美術館の『マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート』、これである。

www.mori.art.museum

 

誘われて行ったものなので、事前にどんなものかも調べなかった。調べたところで、おれは今回の出展者の一人の名前も知らなかったわけだが。

 

というわけで、六本木の駅から地上へ。

 

正直、六本木は怖い。

 

うーん、君か。

 

いや、おれ、ここ来たことあったっけ(面倒なので調べない)。

 

『マシン・ラブ』展は時間指定の予約制。正直、空いていた。

 

説明もAIが書いたみたいな。あ、500円で音声ガイドあったけど、説明文のボリュームがあって、内容も重複していたのでいらんかも。

 

ビープル《ヒューマン・ワン》。まずはこれがお出迎え。VR世界に最初に降り立った人間が、ひたすら歩く。立体だけど映像作品。これからして、おれはけっこう気に入った。見ていて飽きない。映像もクリアで美しく、かっこいい。この展覧会、わりといいんじゃないのかと思った。

 

つづいてアセット(ゲームとか用語)を多用する佐藤瞭太郎の作品。これが壁一面。フリー素材を使用したという、合成写真はまあそんなもんかと。

 

でもねえ、《アウトレット》という映像作品がとてもよかったのよ。なんというのか、極めて……、なにか……、生命に対する侮辱というか。いや、ちょっと違うか。それでもな、大量のアセットのキャラがな(エンディングですべてのアセットの出どころが流れるが、すごい種類だ)、こうな、ドバーッとなってな。でもな、なんかレースゲーム映像みたいなところから、こう、そのドライバーがな、ブーンってな。そのあたりの叙情的よな。叙情的ってなんですか。これはもう、きわめてなにかよいなと思った。

 

キム・アヨンの作品《デリバリー・ダンサーズ・スフィア》。いや、これは置いてあったオブジェで、本編は映像作品。SFやでな。これもなかなかよかったやでな。なんかアニメ絵のビジュアルもあって、いろいろ展開しているんやろな。

 

あ、これの前にゲームセンターがあったのやった。何種類かのインディーズゲームが置いてあって、まあiPadとかで操作するんやけどな、タイトルとか忘れたけどなかなかおもしろかったやで。ちょうど空いていたので遊べたのやで。

 

ああ、その前にディムートという人の、生成AI同士が会話するみたいな作品もあったな。それがな、会話が英語でな、文字起こしも出てくるんやけど、翻訳がなくてな、英語なんだよ。残念なことに、おれは英語がわからん。何やら世界の成り立ちのような話をしているのに、豆腐だとかなんだとか言ってて、なんやらナンセンスなのかもしらんとは思ったが、わからんかった。たまたま同じときに見ていた白人の人たちは笑っていたので、面白いのかもしれない。でもなんだ、なんかちょっと、日本での展示ということで、日本語版にできんかったか、とかは思った。英語できんのが悪いのやが。

 

そんでなんか、次の部屋行ったら、三國無双だかファイナルファンタジーだかみたいなキャラが踊り狂っていた。写真はあれだが、映像は超クリアなので。ルー・ヤン(陸揚)の《独生独死̶自我》という作品でな、あれやな、ちょっと長いので全編見られなかったが、最後の方は仏教世界の話と映像の組み合わせになってな、ちょっと変な魅力があったのやで。ああ、中国語にはちゃんと日本語字幕ついていた。しかしなんだろう、アバターとかになるとみんな踊りたがるのだろうかとか思ってしまった。なんやおれはもう同時代ゲームを知らんのでわからんで、このくらいのグラフィックならべつに珍しくはないと思うが、逆になにかしらの奇妙さというか、違和感があって、それがちょっと好きなのやで。

 

ジャコルビー・サッターホワイトの《メッター・プレイヤー(慈悲の瞑想)》。これはなにやらでかい作品やったけれど、映像にそれほどインパクトは感じなかったやで。ひょっとしたら、思想性を評価するべきものなんかもしらんけれど、わいはあまり能書きを読んで理解する頭はないのやで。

 

シュウ・ジャウェイ(許家維)の《シリコン・セレナーデ》。これもあまり映像に心躍らなかったけれど、手前に置いてあったPCケースがかっこよかったやで(写真撮ってない)。

 

アニカ・イの……なんやっけ、作品名忘れたけど、これがいい感じに気持ち悪く動くので、ちょっとギョッとするところあってよかったな。周りには、自分の絵を学習させたAIによる絵画みたいなのがあったけれど、それはとくにおもしろくはなかったやで。

 

あ、これの前に、ヤコブ・クスク・ステンセン(名前にクスクスが入っている)という人の《エフェメラル・レイク(一時湖)》という映像作品があってな、映像自体もリアルタイム生成されているんやっけか、音だけやったか、まあ砂漠に現れる一時湖いうもんを、実際に取材(材を取るのやから取材でええやろか)して作ったあれで、どんどん変化していく光景がな、見ていてなかなか飽きんかったやで。

 

ああ、その前に、藤倉麻子という人の《インパクト・トラッカー》というのもあったやでな。でもな、なんか、なんだっけ、作品の解説みたいなのが置いてあったけれど、なんや都市論だとか、文明論だとか、非常に現代思想的な話とかしておって、おれの知能ではなんも理解できんかったやで。で、そんな難解な解説に気が向いてしまうということは、あまり作品に目が向かなかったということやで。

 

ほんでこれな。

 

こいつらな。

 

ガラスケースのなかに入っていてうまく全体とか撮れんかったけど、この造形物はよかったやで。アドリアン・ビシャル・ロハスという人の、なんや、無題作品や。これは、AIで人間が滅んだあとだったかな、それを何万年もシミュレートしてな、なんかできたやつをそのまま立体化したみたいなやつやったで。自然とも人工物とも、生命とも無機質とも言えない、説明しがたいなにかがあって、おもしろかったやで。

 

ほんでこれやで。これなんだ、兵器やな。零戦おるやな。

 

これがなにかというと、ケイト・クロフォードとヴラダン・ヨレルという人の《帝国の計算》という作品やでな、この密度のものが一部屋覆っているという代物でな、すごい迫力あるんやけどな、細かく見れば詳細なインフォグラフィックスでな、いろいろなテクノロジーや情報の歴史の年表になっておるんやで。これはもう遠目に見て驚き、近くで見て驚く代物やで。これがまたなんというか、デジタル作品でなく、ブツとして見ろやって感じもあってな、たいへんなものなのやで。

 

というわけで、あれやで、全体の感想をいうと、これは満足やったで。おれはな、昔から、「美術館で見る映像作品」というものが苦手でな、なんか陰鬱で難解な映像が変な音を展覧会に響かせとるで、みたいな印象が強くてな、あと、ちょっと展覧会で見るには長すぎるとかな、落ち着いて見られんというのもあったりな。あとはな、横浜トリエンナーレでさんざんディスったけど、デモの映像撮って流して、それで社会問題に取り組んだアートですってな、そういうのは嫌いなんやな。

goldhead.hatenablog.com

 

でもな、今回の『マシン・ラブ』は、映像作品ばっかりといってええけれども、自分にしては珍しいなと思うほど、映像作品を楽しんで見ることできたのやで。それはな、予約制で人がいっぱいじゃなくて、むしろ空いていて、座ってゆっくり見られたとかもあるんやろうけど、なんかそれだけじゃなくてな。でもな、あれやな、ちょっとあれか、ポップでキャッチー過ぎて、「こんなのアートじゃない」という意見も出てくるかもしらん。でもまあ、べつにあれやな、まあ、トリエンナーレに「こんなのアートじゃない」と言った口で言うけど、おもしろければ勝ちやで。そういう意味で、あれや、これはおもしろいのが多かった。おれの感想はそうなる。

 

でも、世の中の人は『古代エジプト展』に大行列だった。そんなに古代エジプトおもしろいのか?

 

そのあと、港区六本木を歩いてな。

 

まあこうやって歩くことで、今回、23区めぐりの「港区」をクリアということにしようとな。

 

ほら、もう、東京ミッドタウン前だし。

 

スロベニア共和国大使館も見たし(ここなのか?)。

 

それで、つるとんたんの六本木店、というかTsuruTonTan UDON NOODLE Brasserie六本木なのか? 

麺匠の心つくし つるとんたん【公式】

 

まあ、そこ行ったらな、もう2時も過ぎていたのにお客さんいっぱいでな、でも、ビルの7回まで登って戻るのもなんだし、整理券取って、待ってな。それで30分以上待って、その間に車券買ったら25,000円以上儲けてな。あとで分かったというか、レースまでは時間があってんで、帰りの電車待ち中にライブ映像見てわかったんだけどな。まあ、うどん待つのもええということや。

 

それで、食べたおうどんがこれで、「なんだこれは?」という感じなんだけど、季節限定メニューの「パクチー香るタコス仕立てオニオンポタージュのおうどん」で、「タコスってパクチーだっけ?」とか思うものも、オニオンポタージュおいしくてな。

 

でもな、朝からなにも食べておらんで、うどん屋でも並んだ(資さんうどんにも行列ができていたらしい)わけで、腹減っておったから、2玉にしたんよ(2玉に増量してもお値段かわらんので)。したらな、さすがに濃厚なオニオンポタージュとうどんの組み合わせでお腹いっぱいになりすぎたやで、この歳になったらピザのLサイズとうどん2玉は自重すべきやということを学んだのやったやで。

 

……というわけで、今日はここまで。なんで「やで」とか書いているのかというと、もう眠くなって書くのつらいとき、話し言葉に近いのが書きやすかったのやで。え、おれ、ふだん、「やで」とか言ってるのかって? それは秘密やで。

 

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東京23区巡り継続中で、今回は短いけど港区ということで。

 

1.足立区 2.荒川区 3.板橋区 4.江戸川区 5.大田区 6.葛飾区 7.北区 8.江東区 9.品川区 10.渋谷区 11.新宿区 12.杉並区 13.墨田区 14.世田谷区 15.台東区 16.中央区 17.千代田区 18.豊島区 19.中野区 20.練馬区 21.文京区 22.港区 23.目黒区