眼中人無し、死人に口無し

http://www.nikkansports.com/ns/general/p-so-tp0-051130-0004.html

 事実公表をめぐり対立する藤田、小嶋両氏は隣同士。小嶋氏は発言中の藤田氏をにらみつけ、突然「何言ってんだ。ふざけんなよ」と罵声(ばせい)を飛ばし、委員長に「不規則発言はやめてください」とたしなめられた。

 これからも繰り返し放送されるであろう、ヒューザー小嶋社長の怒号。これは皆さんどう見られたか。私は率直に怖さを感じた。私は他人の怒気にドキドキしてしまう小心者だからだ。しかしまあ、あれには驚きもする。なにせ場所は衆院の委員会、フォーマル中のフォーマル。国会、政治家いかほどのものか、とも言えなくもないだろうが、実際のところ後ろめたい人間があんな場所に呼ばれたら、ちょっとは縮こまるのが普通でしょう。それがあなた、「ここは俺のテリトリーだ」くらいの振る舞いに見える。むしろ、あれがああいう場所だからあれで済む。これが例えば、ヒューザー本社の社長室や会議室だったらどうだろう。姉歯みたいな弱気そうな人物でなくとも萎縮してしまう。小嶋社長はそのあたりも利用してのし上がってきた男ではないのか。あるいは、連日のテレビ出演も、「俺が出てって一喝と陳謝を使い分ければ、世論くらいどうにでもなる」という自信ではなかったのか。
 ところが、その小嶋社長もさっぱりテレビには出なくなってしまった。やはり彼も井の中の蛙にすぎなかったのだ。部下を引き連れて余裕綽々でテレビに出たら、井戸ごと飲み込まれてしまったのだ、モンスターに。そうだ、言うまでもなくみのもんただ。みのもんたの前ではさすがの小嶋社長も顏色を失ってしどろもどろ、味方のはずの部下も攻撃の目標に利用され、挙げ句の果てにわけのわからない約束をさせられるハメになった。スタジオの中でみのもんたに逆らってはいけない。これで小嶋社長はテレビに懲りたのではないか。
 それにしても恐ろしいのはみのである。いずれ日本をメディア力で支配するのではないか。しかし、「テレビ司会者が独裁者になる」というのはある種SF的には古典的定番の設定と言えるかもしれない。うん、それはいいな。これから日本国中のビルに耐震性の欠陥が発見される。このままでは日本崩壊だ。そこにあらわれたのが、みのの水道管会社。まったく新しい耐震構造補強の発明で、国難を救う……。やがてみのはビッグブラザーとなり、街中のモニタから健康食をすすめてくるのだ、恐ろしい!