不羈の馬

 昔、アンブライドルズソングという馬が米国で人気したことがあって、その父がアンブライドルドだった。アンブライドルドとはなんぞやと調べたら、「馬具をつけない」が転じて「奔放な」という意味をも持つ言葉だった。それがもう一回りして馬に戻ってきていて、なかなか好もしい馬名だと思ったものだ。
 さっき、英語で調べ物をしていて和英辞典で「斑」をひいたら、「〈とらふの〉 brindled」などと出てくる。動物の斑毛を意味するらしい。え、それじゃあ俺が好もしく思っていた「アンブライドルド」は「斑毛ではない」という意味なの? 当たり前じゃん、サラブレッドなんだから。いや本当かよ。
 ……というのは勘違いもいいところで、よく見てみると不羈の方はun「bridled」で、斑毛は「brindled」。n一個分をしばらく見逃して、余計な調べ物をしてしまったものであった。