シャワーラックを作ったやつにノーベル賞が贈られないのはおかしい

 引っ越しともなるといろいろと話したいことはあるんだけれど、とてもそんな元気はないんだ。だけれどもひとつだけ、忘れないうちに書いておきたことがある。シャワーラックと呼ばれるもののことだ。知ってるか? シャワーラック。俺はぜんぜん知らなかった。新しいアパートのユニットバスが前よりちょっと狭いことには気づいていたけれど、それどころではなく狭いと気づいて、いったいどこにボディーシャンプーやシャンプーやリンスや洗顔料を置けばいいのか途方にくれて、いや、くれる間もなくiPhoneで「ユニットバス 収納」とか検索して、それで知ったんだ。
 なにがすごいって、本来シャワーヘッドをフックするところを、収納器具が占めてしまう。それでいろいろぶら下げて展開しろっていうんだぜ。それで、器具自体にべつにシャワーヘッドをひっかけるところがついてる。高さの違うフックがあればそれに頼ることもない。
 まあともかく、なんというのだろう、よくこんなこと考えるやつがいるな、ということだ。「え、それほど?」とか思う? 俺は思わない。俺だって引越しついでにいろいろ狭いスペースの収納、とくにキッチンまわりの高さを利用した吊り下げなんかはそうとうやってるつもりなんだけど、それでも自分でユニットバス内をどうするかっていうのは、正直お手上げだった。最初、長いつっぱりポールなんかためして、そこに吊るすとか考えたけど、まあいろいろ無理ありそうだったりしたわけで。で、シャワーフックを使うって発想が出てきただろうかと考えると、まあ無理っぽかった。二つもフックあるんだから、うえのほうになんか工夫できるか? ってスタート地点にすら立てなかった。
 だからもう、俺は速攻でAmazonだったから楽天だったか、ともかくすぐに通販で買ってしまった。で、そのあとなんだけど、ホームセンターとか大型スーパーの日用品売り場に普通に売ってるのね。もう、なんというか、まったく知らなかった。俺の知らないところで世界にはすばらしい発明がうまれたりしてて、まったく俺は無関心で無知だった。まったく驚いてしまう。なんというか、当たり前に売っているアイディアについて、まったく無知だった自分に驚いてしまう。いや、全てを知る者じゃないんだから、知らなくたって当たり前なんだけど、しかし、あまりにシャワーラックはすばらしいぜって、そういうことなんだよ。わかるか? わかんねえか。まあいいや。それじゃ。

Belca ステンレスシャワーラック 2段 FH-316

Belca ステンレスシャワーラック 2段 FH-316