池澤夏樹『アトミックス・ボックス』を読む ……なんというか、普通だな

 

アトミック・ボックス (角川文庫)

アトミック・ボックス (角川文庫)

  • 作者:池澤 夏樹
  • 発売日: 2017/02/25
  • メディア: 文庫
 

父には知らない顔があった。美汐、27歳。28年前の父の罪を負って娘は逃げる、逃げる。追ってくる相手はあまりにも大きい──。「核」をめぐる究極のポリティカル・サスペンス、震災後文学の傑作。

なんか普通だなー、と思った。つまらなくはないよ、最後まで読んだよ。でもなんかけれん味もないし、ぐっと突き抜けるところもないんだよな。そりゃべつに深町秋生の小説のように元傭兵の中国人マフィアが殺人的システマで関西一の武闘派ヤクザ軍団に襲いかかるような展開は求めていないのだけれど。なんか、熱がないな。「なんか、普通の小説ない?」と言われたら「これなんか、普通だけど。あくまで、普通」と渡す感じ。

で、今Amazonのページ見てみたら、これ新聞連載小説だったのね。なんかわからんが合点がいく。一般紙の連載ならそんなに過激な描写も突拍子もない展開もできない。良識的なところに落ち着く。たぶん。

とくに、池澤夏樹東日本大震災後に『アトミックス・ボックス』ってタイトルで「核」をめぐるポリティカル・サスペンスで、主人公が亡き父の秘密を持って逃げるって、なんとなくこんな感じの話かなって思うのだろうし、たぶんその予想は当たっている。

というわけで、「なんか普通の小説読みたいな」と思ったらどうでしょうか。理系に通じている作者らしい一面なんかはありますので。

 

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