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労働嫌いのチャンピオンはだれ? 辻潤全集第2巻を読む

辻潤全集 (第2巻) 作者: 辻潤 出版社/メーカー: 五月書房 発売日: 1982/06 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る だから、人のために物を書いたことなどは殆どない、同時に、自分が感じないことや考えないことを書いたこともない。要するにあまり融…

柴田元幸責任編集『MONKEY』Vol.11 特集「ともだちがいない!」を読む

MONKEY vol.11 ともだちがいない! 作者: 柴田元幸,チャールズ・ブコウスキー,村上春樹,村田沙耶香,伊藤比呂美,谷川俊太郎,くどうなおこ,松本大洋 出版社/メーカー: スイッチパブリッシング 発売日: 2017/02/15 メディア: 雑誌 この商品を含むブログを見る 何…

『天冥の標〈1〉―メニー・メニー・シープ』を読む

天冥の標〈1〉―メニー・メニー・シープ〈上〉 (ハヤカワ文庫JA) 作者: 小川一水 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2009/09/30 メディア: 文庫 購入: 8人 クリック: 108回 この商品を含むブログ (119件) を見る 天冥の標〈1〉―メニー・メニー・シープ〈下〉…

人が子を残すとはなんぞや? 『リベラル優生主義と正義』を読む

リベラル優生主義と正義 作者: 桜井徹 出版社/メーカー: ナカニシヤ出版 発売日: 2007/01 メディア: 単行本 クリック: 3回 この商品を含むブログ (11件) を見る おれのなかには、おれの個人的な優生主義というものが存在している。 d.hatena.ne.jp 要するに…

双極性障害のおれが『うつ病の事典 うつ病と双極性障害がわかる本』を読む

うつ病の事典 (こころの科学増刊) 作者: 樋口輝彦,野村総一郎,加藤忠史 出版社/メーカー: 日本評論社 発売日: 2011/09/12 メディア: ムック 購入: 1人 クリック: 2回 この商品を含むブログを見る 野村総一郎、加藤忠史、とくれば、なにかしら信頼が置けるよ…

『不安障害と双極性障害』を読む

不安障害と双極性障害 作者: 貝谷久宣,佐々木司 出版社/メーカー: 日本評論社 発売日: 2013/10/21 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る 完全に医療従事者、というか医者向けの本なのであろう。とはいえ、おれは不安障害に対処する薬(ベンゾ…

問題はまず食うことだ―『辻潤全集』第一巻を読む

辻潤全集 (第1巻) 作者: 辻潤 出版社/メーカー: 五月書房 発売日: 1982/04 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る おれの今年のブームは辻潤である。年末まで生きているとして、「今年読んだ本のベスト5」とかしょうもうないエントリーを書くとしたら…

あなたの「゜」はどっち回り? 『左右学への招待』

左右学への招待 (知恵の森文庫) 作者: 西山賢一 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2005/12/06 メディア: 文庫 クリック: 4回 この商品を含むブログ (5件) を見る 「それでは、あなたが逃亡者だと仮定してたずねます。追っ手から逃げている道の先が、左と右に…

完全におれは辻潤みたいだ その3 玉川信明『ダダイスト辻潤』を読む

ダダイスト辻潤 (1984年) 作者: 玉川信明 出版社/メーカー: 論創社 発売日: 1984/11 メディア: ? この商品を含むブログを見る 辻潤の書いたもの二冊に続いて、辻潤について書かれたもの、評伝である。正直、辻潤が書きのこしたものには自伝や回顧録が多いの…

やはりあんたはおれなのか? その2 『辻潤 孤独な旅人』を読む

辻潤―孤独な旅人 作者: 辻潤,玉川信明 出版社/メーカー: 五月書房 発売日: 1996/11 メディア: 単行本 クリック: 2回 この商品を含むブログ (1件) を見る 私はおよそどんな仕事にしろ、人間は楽しんで仕事をするようにならなければウソだ思っている。これから…

あんたはおれなのか? 辻潤『絶望の書/ですぺら』を読む

絶望の書・ですペら (講談社文芸文庫) 作者: 辻潤,武田信明 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1999/08/10 メディア: 文庫 クリック: 12回 この商品を含むブログ (17件) を見る 人間がイヤイヤ自分の仕事をしているということより悪いことはまずこの世の中に…

タイトルに偽りあり? 『生物はなぜ誕生したのか』

生物はなぜ誕生したのか:生命の起源と進化の最新科学 作者: ピーター・ウォード,ジョゼフ・カーシュヴィンク,梶山あゆみ 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2016/01/13 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (6件) を見る おれはパンスペルミア説を信…

秋山清『ニヒルとテロル』を読む

ニヒルとテロル (秋山清著作集) 作者: 秋山清 出版社/メーカー: ぱる出版 発売日: 2006/02 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 組織における、資本力における、はるかな優越、したがって現社会における支配的力としての強者は、わが国にお…

はてな双極性障害クラスタのおれが読む『ノーチラスな人びと』

副題は『双極性障がいの正しい理解を求めて』。「障害」の「害」の字を開いているのは編著者の意志あってのことらしいが、おれは面倒だし、なんか変だと思う(だったら「障」の字に悪い意味はないのか、とか)ので「障害」を使う。この本は現場のお医者さん…

『弱さの思想 たそがれを抱きしめる』を読む

弱さの思想: たそがれを抱きしめる 作者: 高橋源一郎,辻信一 出版社/メーカー: 大月書店 発売日: 2014/02/20 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (5件) を見る 「弱さ」の中に、効率至上主義ではない、新しい社会の可能性を探ってみたい。 「弱さ」と「…

秋山清『日本の反逆思想』を読む

いやしくも、狂愚にあらざる以上、なんびとも永遠・無窮に生きたいとはいわぬ。しかも、死ぬなら天寿をまっとうして死にたいというのが、万人の望みであろう。一応は無理からぬことである。 されど、天命の寿命をまっとうして、疾病もなく、負傷もせず、老衰…

アルコール依存症は「明るい病気」になれるのか? 西原理恵子×月乃光司『おサケについてのまじめな話』

西原理恵子月乃光司のおサケについてのまじめな話 アルコール依存症という病気 作者: 西原理恵子 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2010/07/01 メディア: 単行本 購入: 15人 クリック: 457回 この商品を含むブログ (35件) を見る 「ガンてこんなにかわいがら…

結局は「人の縁」か……鈴木大介『脳が壊れた』を読む

脳が壊れた (新潮新書) 作者: 鈴木大介 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2016/06/16 メディア: 新書 この商品を含むブログ (3件) を見る いわゆる下流、貧困、アウトローなどをテーマにした著作の多い著者が、脳梗塞になった。脳梗塞になって、高次脳機能障…

『断片的なものの社会学』を読む

断片的なものの社会学 作者: 岸政彦 出版社/メーカー: 朝日出版社 発売日: 2015/05/30 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (32件) を見る 物語は、「絶対に外せない眼鏡」のようなもので、私たちはそうした物語から自由になり、自己や世…

まさかとは思いますが、あなたの読んでいるバブルというのは……林公一『サイコバブル社会』を読む

サイコバブル社会 ―膨張し融解する心の病― (tanQブックス) 作者: 林公一 出版社/メーカー: 技術評論社 発売日: 2010/06/25 メディア: 単行本(ソフトカバー) 購入: 1人 クリック: 19回 この商品を含むブログ (6件) を見る 「まさかとは思いますが、この「弟…

また髪の話してる……なんで日本人はちょんまげを? 『カミが見ていた世界の歴史 魔女の黒髪天使の金髪』

つねづね、なんとなく不思議だなあって思うことあるじゃないですか。ずっと不思議に思ってて、それでもべつに日々の生活に必要な知識じゃないから放っておいたことって。ぼくにとってそのなかの一つが「ちょんまげ」なんですよね。時代劇なんかで見る、ズバ…

『吉本隆明が語る親鸞』を読むときぼくの語ること

吉本隆明が語る親鸞 作者: 吉本隆明,信濃八太郎 出版社/メーカー: 東京糸井重里事務所 発売日: 2012/01/24 メディア: 単行本 クリック: 16回 この商品を含むブログ (12件) を見る 高橋源一郎が3.11後に鶴見俊輔の『思い出袋』と吉本隆明の『吉本隆明が語る親…

藤井貞和『ピューリファイ、ピューリファイ!』を読む(青空文庫でもけっこう読めます)

藤井貞和の詩集『ピューリファイ、ピューリファイ!』を読んだ。Amazonにも楽天にも取扱がないので、写真を載せる。 藤井貞和といえば……。 goldhead.hatenablog.com これである。これを読んで、「ちょっとかっこいいな」と思ったのである。おれが詩歌に求め…

たいへんなことが起きる『続・藤井貞和詩集』(現代詩文庫104)を読む

続・藤井貞和詩集 (現代詩文庫) 作者: 藤井貞和 出版社/メーカー: 思潮社 発売日: 1992/10 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 1回 この商品を含むブログ (1件) を見る 枯れ葉剤 「あたしたちの坊やを枯れ葉の下にかくしたの」遠いテレビから聞こえる「あ…

吉本隆明『心とは何か 心的現象論入門』を読む

心とは何か―心的現象論入門 作者: 吉本隆明 出版社/メーカー: 弓立社 発売日: 2001/06 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 3回 この商品を含むブログ (3件) を見る 「心とは何か」。假定された有機交流電燈のひとつの青い照明です、というわけにはいかな…

他人事と言えるのか―『万引き老人』を読む

万引き老人 作者: 伊東ゆう 出版社/メーカー: 双葉社 発売日: 2016/05/21 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (1件) を見る 『万引き老人「貧困」と「孤独」が支配する絶望老後』。なんかすごい題名。すごいけど、もう当たり前の感もあ…

鶴見俊輔『思い出袋』を読むのこと

思い出袋 (岩波新書) 作者: 鶴見俊輔 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2010/03/20 メディア: 新書 購入: 8人 クリック: 215回 この商品を含むブログ (35件) を見る 高橋源一郎が「3.11のあと吉本隆明の『吉本隆明が語る親鸞』と、鶴見俊輔の『思い出袋』…

「心」はどこにあるのか 三木成夫『内臓とこころ』を読む

内臓とこころ (河出文庫) 作者: 三木成夫 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2013/03/05 メディア: 文庫 クリック: 3回 この商品を含むブログ (11件) を見る 文庫版解説の養老孟司曰く「情が理を食い破った人」、三木成夫の数少ない著書の一つである。…

Kindle Unlimitedは解約するわ、microSDカードは買うわ

Fire タブレット 8GB、ブラック 出版社/メーカー: Amazon 発売日: 2015/09/30 メディア: エレクトロニクス この商品を含むブログ (27件) を見る AmazonのFireタブレットを買ってから……2ヶ月と少々経つ。 goldhead.hatenablog.com その間、おれはどれだけ電子…

おれが信じられないおれを信じろ-『「ニセ医学」に騙されないために』を読む

「ニセ医学」に騙されないために 危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る! 作者: NATROM 出版社/メーカー: メタモル出版 発売日: 2014/06/25 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (35件) を見る さいきん、三木成夫の本などを読んで…

三木成夫『胎児の世界』を読む

胎児の世界―人類の生命記憶 (中公新書 (691)) 作者: 三木成夫 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 1983/05/23 メディア: 新書 購入: 4人 クリック: 33回 この商品を含むブログ (62件) を見る 後期の吉本隆明が大きな影響を受けた三木成夫の、数少ない著…

シンでも旧でもない『ゴヂラ』を読むのこと

ゴヂラ 作者: 高橋源一郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2001/12 メディア: 単行本 クリック: 2回 この商品を含むブログ (14件) を見る 『シン・ゴジラ』も観たし(たぶんもう一回くらい劇場で観ると思う)、ちょっと高橋源一郎先生の『ゴヂラ』も読んで…

加藤典洋×高橋源一郎『吉本隆明がぼくたちに遺したもの』を読む

吉本隆明がぼくたちに遺したもの 作者: 加藤典洋,高橋源一郎 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2013/05/10 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (9件) を見る どんな思想も、どんな行動も、ふつうは、その「正面」しか見ることができない。それを見なが…

二つ名好きのおれが澤宮優『ニックネームで振り返る野球昭和史』を読む

ニックネームで振り返る野球昭和史 作者: 澤宮優 出版社/メーカー: ベースボールマガジン社 発売日: 2016/05 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る おれは二つ名が好きである。スポーツ選手や競走馬や将棋指しのニックネームが好きである。好きなの…

フィリップ・K・ディック 『髑髏』を読む

髑髏 (ダーク・ファンタジー・コレクション) 作者: フィリップ・K.ディック,Philip K. Dick,仁賀克雄 出版社/メーカー: 論創社 発売日: 2009/02 メディア: 単行本 購入: 2人 クリック: 11回 この商品を含むブログ (9件) を見る おれの好きなディックは多作の…

高橋源一郎『デビュー作を書くための超「小説」教室』を読む

デビュー作を書くための超「小説」教室 作者: 高橋源一郎 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2015/03/21 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る べつの高橋源一郎の本を探しているとき、偶然目に入ったんだからね! ……とかツンデレだかな…

高橋源一郎 『101年目の孤独』を読む

101年目の孤独――希望の場所を求めて 作者: 高橋源一郎 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2013/12/26 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (9件) を見る おれの思春期に大きな影響を与えた作家というのは何人かいるが高橋源一郎はそのうちの一人である。…

澁澤龍彦『太陽王と月の王』を読む

太陽王と月の王 (河出文庫) 作者: 澁澤龍彦 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2006/05/03 メディア: 文庫 購入: 4人 クリック: 10回 この商品を含むブログ (20件) を見る おれの思春期に大きな影響を与えた作家というのは何人かいるが、澁澤龍彦はその…

鈴木の中でも答えが出ない 『最貧困女子』を読む

最貧困女子 (幻冬舎新書) 作者: 鈴木大介 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2014/09/27 メディア: 新書 この商品を含むブログ (36件) を見る おれは貧乏だが貧困というほどではない。そう思っている。そう思いながら、茹でガエルのようになり、気づいたら餓…

食えねえおっさんだな―『ドキュメント・森達也の「ドキュメンタリーは嘘をつく」』

ドキュメント・森達也の『ドキュメンタリーは嘘をつく』 (DVD付) 作者: 森達也,替山茂樹 出版社/メーカー: キネマ旬報社 発売日: 2009/03/26 メディア: 単行本 購入: 7人 クリック: 35回 この商品を含むブログ (26件) を見る このA点とB点は誰が決めているか…

中島義道『反〈絆〉論』を読む

反〈絆〉論 (ちくま新書) 作者: 中島義道 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2014/12/08 メディア: 新書 この商品を含むブログ (4件) を見る 数年前のダービーをキズナという名前の馬が勝った。おれはキズナにも武豊にも(馬券的に損をしたという以外の)恨…

中島義道『生きることも死ぬこともイヤ人のための本』を読む

生きることも死ぬこともイヤな人のための本 作者: 中島義道 出版社/メーカー: 日本経済新聞社 発売日: 2005/09 メディア: 単行本 購入: 3人 クリック: 20回 この商品を含むブログ (52件) を見る おれは生きることがイヤだが、自殺するのもイヤだ。そんなおれ…

むつかしくてようわかりませんでした 斎藤環『戦闘美少女の精神分析』

戦闘美少女の精神分析 (ちくま文庫) 作者: 斎藤環 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2006/05 メディア: 文庫 購入: 18人 クリック: 258回 この商品を含むブログ (174件) を見る よくテレビに出ている別の斎藤先生と勘違いしていた斎藤環先生の本である。お…

やっぱりマッドだぜ 石黒浩『アンドロイドは人間になれるか』を読む

マッド・サイエンティストという戯画化されがちななにかがあって、現実にはそんな人いないのだろうけれども、いるのだから仕方ないというのが石黒先生だと思う。そういう意味でもうSF好きでもあるおれは石黒先生が好きでしょうがないのだが、考えてみたら著…

『フード左翼とフード右翼』を読む

フード左翼とフード右翼 食で分断される日本人 (朝日新書) 作者: 速水健朗 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2013/12/13 メディア: 新書 この商品を含むブログ (36件) を見る 『ラーメンと愛国』がいまいちピンとこなかったが、姉妹本らしいこれも読ん…

獣臭くないラーメン論 『ラーメンと愛国』

ラーメンと愛国 (講談社現代新書) 作者: 速水健朗 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2011/10/18 メディア: 新書 購入: 5人 クリック: 371回 この商品を含むブログ (95件) を見る こないだ今時のラーメン屋に生まれて初めて並んでみて、ふと『ラーメンと愛国…

目からウロコは聖書から

ときは戦国の世…… 「まさに一石二鳥の策。敗北主義に走った役立たずの家臣どもとは大違いじゃ。話を聞いた瞬間に決めたぞ。この状況をひっくり返すにはこれしかないとな。常識では考えつかん策に目からウロコが落ちたわい。これにて補給を絶たれた敵陣をズタ…