読書

見沢知廉獄中作品集『背徳の方程式 MとSの磁力』を読む

背徳の方程式―MとSの磁力 作者: 見沢知廉 出版社/メーカー: アルファベータ 発売日: 2011/07 メディア: 単行本 クリック: 1回 この商品を含むブログ (1件) を見る おれと見沢知廉、見沢知廉とおれ。おれが見沢知廉を知ったのは、稀代のクソ雑誌『GON!』には…

沢木耕太郎『敗れざる者たち』を読む

敗れざる者たち (文春文庫) 作者: 沢木耕太郎 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 1979/09/25 メディア: 文庫 購入: 13人 クリック: 79回 この商品を含むブログ (46件) を見る ハードリドンの子、ロングエースに。テスコボーイの子、ランドプリンスに。セン…

増田俊也『VJT前夜の中井祐樹』を読む

VTJ前夜の中井祐樹 作者: 増田俊也 出版社/メーカー: イースト・プレス 発売日: 2015/11/06 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 中井が戦っているのは目の前のゴルドーではあったが、中井が本当にやろうとしていたのは無知な世間を引っ繰り返す…

本村凌二『競馬の世界史』を読む

競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで (中公新書) 作者: 本村凌二 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2016/08/18 メディア: 新書 この商品を含むブログ (3件) を見る 維新期の一八七〇年(明治三年)のことだが、来日していたイギ…

沢木耕太郎『一瞬の夏』を読む

松影町2丁目の交差点を石川町駅方面に向かって曲がる。直進して、京浜東北線の高架の下をくぐる。さらに直進して右折、左手にファミリーマート、右手にドラッグストア、その先におれのいきつけのスーパー「食品館あおば元町店」がある。 話を巻き戻そう。高…

フィリップ・K・ディック『ギャラクシーの花瓶の修理』……じゃなくて『銀河の壺なおし』を読む

銀河の壺なおし〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF) 作者: フィリップ・K・ディック,土井宏明,大森望 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2017/10/19 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 父親は壺なおしだった。そして彼も、壺なおしを仕事にしている。 出…

増田俊也×中井祐樹『本当の強さとは何か』を読む

本当の強さとは何か 作者: 増田俊也,中井祐樹 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2016/07/15 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (2件) を見る 中井祐樹。地上波に乗る格闘技を見ていただけのおれには、なんとなく知っているだけの人物だ…

馬の代わりに人間を走らせて、その人間に金をかける競輪ほど人間の精神を侮辱するものはないって? 三好円『バクチと自治体』を読む

バクチと自治体 (集英社新書 495H) 作者: 三好円 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2009/05/15 メディア: 新書 購入: 4人 クリック: 29回 この商品を含むブログ (9件) を見る なにやら『ヤクザと憲法』のようなタイトルだな、と思って手にとってみた。むろん…

横田増生『評伝 ナンシー関 「心に一人のナンシーを」』を読む

評伝 ナンシー関 「心に一人のナンシーを」 (朝日文庫) 作者: 横田増生 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2014/06/06 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (4件) を見る テレビや芸能界に関する話題で、はてなブックマークでたまに見られるやり取りが…

『人類はなぜ肉食をやめられないのか 250万年の愛と妄想の果てに』を読む

人類はなぜ肉食をやめられないのか: 250万年の愛と妄想のはてに 作者: マルタ・ザラスカ,小野木明恵 出版社/メーカー: インターシフト 発売日: 2017/06/16 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る おれは消極的な反肉食的精神の持ち主である。…

『毒々生物の奇妙な進化』を読む

毒々生物の奇妙な進化 作者: クリスティーウィルコックス,垂水雄二 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2017/02/16 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る 毒のある生物……venomousu、toxic、poisonnousといろいろありらしいが、ともかく有毒生…

今さら2017年に見た、読んだ映画とかアニメとか本のベストを書き残す

そういえば年末に書くべきことを書いてないな、と思った。年間ベストなんちゃらだ。が、しかし、なにかおれには2017年という年がはずれの年という印象があって、気が進まなかったのだ。だから、ベスト3とか言わず、ベストをメモしておく。ちなみに、2017年公…

日比谷公園、あるいは明治のモラル

日比谷公園: 一〇〇年の矜持に学ぶ 作者: 進士五十八 出版社/メーカー: 鹿島出版会 発売日: 2011/05/11 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 1回 この商品を含むブログ (3件) を見る 日本初の洋式公園といえば、山手公園ということになる。横浜に居留した…

深町秋生『卑怯者の流儀』を読む

卑怯者の流儀 (文芸書) 作者: 深町秋生 出版社/メーカー: 徳間書店 発売日: 2016/09/29 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 携帯端末に触れた。監視アプリのウェブ管理画面にログインし、佐竹が持っている携帯端末の音声マイクをひそかに起…

早川タダノリ『日本スゴイのディストピア』を読む

「日本スゴイ」のディストピア: 戦時下自画自賛の系譜 作者: 早川タダノリ 出版社/メーカー: 青弓社 発売日: 2016/06/30 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (7件) を見る 「日本スゴイ」の大合唱があふれる現在だが、1931年の満洲事変後にも愛国本・日…

上原善広『路地の子』を読む

路地の子 作者: 上原善広 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2017/06/16 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (4件) を見る 「ここで可哀そうや、思たらアカンで。動物やから、牛もそれがわかってすがってくる。そうなったら手元が狂って…

読みきれなかったエルロイ『背信の都』

背信の都 上 作者: ジェイムズエルロイ,James Ellroy,佐々田雅子 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2016/05/28 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (8件) を見る 背信の都 下 作者: ジェイムズエルロイ,James Ellroy,佐々田雅子 出版社/メーカー: 文藝…

深町秋生『プロテクションオフィサー 警視庁組対三課・片桐美波』を読む

PO(プロテクション オフィサー) 警視庁組対三課・片桐美波 (祥伝社文庫) 作者: 深町秋生 出版社/メーカー: 祥伝社 発売日: 2017/03/15 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (3件) を見る 水上夫妻の頭から摘出された弾丸は7.62ミリ弾。弾芯が鉄だったことか…

虫明亜呂無のいない世界で

パスキンの女たち 作者: 虫明亜呂無 出版社/メーカー: 清流出版 発売日: 2010/12 メディア: 単行本 クリック: 25回 この商品を含むブログ (3件) を見る 時さえ忘れて (虫明亜呂無の本) 作者: 虫明亜呂無,玉木正之 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 1991/06…

むずかしすぎるぜ経済 黙って働いてりゃええだろ

自由のジレンマを解く (PHP新書) 作者: 松尾匡 出版社/メーカー: PHP研究所 発売日: 2016/02/16 メディア: 新書 この商品を含むブログ (11件) を見る この経済政策が民主主義を救う 安倍政権に勝てる対案 作者: 松尾匡 出版社/メーカー: 大月書店 発売日: 20…

勝手に予防ごっこしてろ 川西千秋『自殺予防学』を読む

自殺予防学 (新潮選書) 作者: 河西千秋 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2009/06 メディア: 単行本 クリック: 13回 この商品を含むブログ (4件) を見る なんだよ、自死をすすめるような本( ※著者は実行しました 須原一秀『自死という生き方』を読む - 関内…

※著者は実行しました 須原一秀『自死という生き方』を読む

自死という生き方 (双葉新書) 作者: 須原一秀 出版社/メーカー: 双葉社 発売日: 2009/12/09 メディア: 新書 購入: 1人 クリック: 40回 この商品を含むブログ (9件) を見る 「もともと明るくて陽気な人間が、非常にサバサバした気持ちで、平常心のまま、暗さ…

大饗広之『なぜ自殺は減らないのか 精神病理学からのアプローチ』を読む

おれにとって「自殺とはこういうものなのか」というあるていどはっきりした見方をもたらしてくれたのは、張賢徳『人はなぜ自殺するのか』であった。自殺というものについて、いろいろな立場があろうが、読んで損はないといえる。 d.hatena.ne.jp して、希死…

加藤忠史『岐路に立つ精神医学 精神疾患解明へのロードマップ』を読む

岐路に立つ精神医学: 精神疾患解明へのロードマップ 作者: 加藤忠史 出版社/メーカー: 勁草書房 発売日: 2013/06/25 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る やや不謹慎な話になるやもしれぬが、たとえば骨を折ったとして人間の骨の図解を眺め…

牢屋がおれを呼んでいる? 中島らも『牢屋でやせるダイエット』を読む

おれはどこか刑務所に惹かれるところがある。そういうことはずいぶんと前から、何度も書いてきた。 d.hatena.ne.jp すすんで罰というものを受けたい、苦しみを味わいたいというわけではない。余計なことをしないで、することをしていればその評価にも関係な…

中島らもに似た感情 『心が雨漏りする日には』を読む

おれがおれを双極性障害と規定しているのは、おれひとりの思い込みではない。精神科医がそう診断を下し、双極性障害用の薬物を処方され、それを飲んでいるからである。ひょっとしたらふたりの思い込みかもしれないし、単なる誤診かもしれないし、実は別の病…

基本的に死ぬまで治らない抑うつ状態 Low & Low

マンガ お手軽躁うつ病講座High&Low 作者: たなかみる 出版社/メーカー: 星和書店 発売日: 2004/10/01 メディア: 単行本 購入: 5人 クリック: 15回 この商品を含むブログ (22件) を見る おれは双極性障害(II型)……まだ躁うつ病といった方が通りがいいのか………

松本俊彦『アディクションとしての自傷 「故意に自分の健康を害する」行動の精神病理』を読む

アディクションとしての自傷‐「故意に自分の健康を害する」行動の精神病理‐ 作者: 松本 俊彦 出版社/メーカー: 星和書店 発売日: 2011/01/25 メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 7回 この商品を含むブログ (7件) を見る https://eow.alc.co.jp/sear…

吉本隆明・石川九楊『書 文字 アジア』を読む

書 文字 アジア 作者: 吉本隆明,石川九楊 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2012/03 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 7回 この商品を含むブログ (3件) を見る 表紙の文字がかっこいい。吉本隆明と石川九楊の対談本である。その本質のところは浅学菲…

石川九楊『日本語とはどういう言語か』を読む

日本語とはどういう言語か (講談社学術文庫) 作者: 石川九楊 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2015/01/10 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 石川九楊先生による日本語論である。なぜこの本を手に取ったか。無論、石川九楊先生の「書」を見て、や…