読書

日夏耿之介の言うこと

こないだ金子光晴の随筆かなんか読んでて「やっぱ日夏耿之介だよな」みたいなこと言ってたから、「日夏耿之介、読んでみるか」って思ったのよ。でも、詩集ちょっとめくってみたら、「あかん、これ、おれの国語能力では読めん」ってなったの。まあ、読めない…

『人種は存在しない 人種問題と遺伝子』を読む

先日、こんな記事を読んだ。 「人種」の概念、科学で使わないで 米で差別助長を懸念:朝日新聞デジタル "「人種」の概念、科学で使わないで 米で差別助長を懸念"ということだ。 差別や誤解に対し、米人類遺伝学会(ASHG)は昨年10月、「人種差別のイデ…

これぞ絶対的強者! 木村政彦『わが柔道』を読む

わが柔道―グレイシー柔術を倒した男 (学研M文庫) 作者: 木村政彦 出版社/メーカー: 学習研究社 発売日: 2001/11 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 5回 この商品を含むブログ (2件) を見る おれが木村政彦について書かれた本にとても惹かれていることは今…

ジャン・グルニエ『孤島』を読む

孤島 (ちくま学芸文庫) 作者: ジャングルニエ,Jean Grenier,井上究一郎 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2019/04/10 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る ジャン・グルニエの『孤島』を読んだ。おれはアルベール・カミュではないので、この本を啓…

いろいろの双極性障害 『坂口恭平躁鬱日記』を読む

※以下は双極性障害II型と診断されて、投薬を受けているだけの素人病人の意見、見解その他に過ぎませんのでご注意ください。あと、取り上げている書物では「躁鬱病」と表記されていますが、おれは「双極性障害」と書いてます。それも好き好きなので、気にせん…

増田俊也『木村政彦 外伝』を読む

木村政彦 外伝 作者: 増田俊也 出版社/メーカー: イースト・プレス 発売日: 2018/08/18 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 本書の「正伝」は、言うまでもなく『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』である。『木村政彦はなぜ力道山を…

植物みんな毒だらけ 『邪惡な植物』を読む

おれと植物、植物とおれ。おれは植物に興味が無いわけではありません。しかし、植物が好きなのか、詳しいのかと言われると、それはあやしい。あやしいどころではない。だいたいにして、そこらに生えている草木を見て「何か」と同定することはほとんどできま…

おれが読めなかった小説、たとえば『地図になかった世界』

おれは読んだ本についてこの日記に書きつけていることにしている。読んだ本、読了した本だ。その背後には、読みさしで放置された本、期限が来て図書館に返却された本が、わりと、たくさん、ある。 「今はなんか気分が向かないな」というのもあるし、「おれに…

ウィース・タン! 『天冥の標』を読了する

天冥の標X 青葉よ、豊かなれ PART1 (ハヤカワ文庫JA) 作者: 小川一水 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2018/12/19 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 天冥の標? 青葉よ、豊かなれ PART2 (ハヤカワ文庫JA) 作者: 小川一水 出版社/メーカー: 早川…

おれはシオランを読んだ。おれは無人島にこの本を持っていく(シオラン『カイエ』を読み終わる-02)

おれには「○○を読んだ」と呼べる作家は少ない。唯一セリーヌのみが、全集を読んだよいう意味で「おれはセリーヌを読んだ」と言えるかもしれない。とはいえ、だんだんと苦痛となってきて、しっかり読んだと言えるかはあやしい。ほとんど読んではいるが、いく…

シオランとセリーヌ、シオランとペソア(シオラン『カイエ』を読み終わる-01)

カイエ 1957‐1972 作者: シオラン,Cioran,金井裕 出版社/メーカー: 法政大学出版局 発売日: 2006/09/01 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (7件) を見る シオランは1911年に(望まなくして)生まれ、1995年に死んだ。セリーヌは1894年に生まれ、1961年…

新聞紙の薄っぺらさよ-『異教の隣人』を読む

異教の隣人 作者: 釈徹宗,細川貂々,毎日新聞「異教の隣人」取材班 出版社/メーカー: 晶文社 発売日: 2018/10/26 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 『不干斎ハビアン』の著者である釈徹宗が、日本に住むいろいろの異教徒と対話するのだから、これ…

『知性は死なない』が……?

知性は死なない 平成の鬱をこえて 作者: 與那覇潤 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2018/04/06 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (8件) を見る 双極性障害を患わった知識人である著者による平成回顧である。おれはおれ自身が双極性障害(II型)であ…

『進化倫理学入門』を読んだ……のか?

進化倫理学入門 作者: スコット・ジェイムズ,児玉聡 出版社/メーカー: 名古屋大学出版会 発売日: 2018/01/29 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る この本を読んだ……のか? ということになる。一応、日本語で書かれている文字はすべて目を通…

新しいマズローのピラミッド ダグラス・ケンリック『野蛮な進化心理学』を読む

野蛮な進化心理学―殺人とセックスが解き明かす人間行動の謎 作者: ダグラス・ケンリック,山形浩生,森本正史 出版社/メーカー: 白揚社 発売日: 2014/07/18 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (12件) を見る おれは目下のところ進化心理学が好きだ。そし…

また会おう、カントリー。『ブラッド・エルドレッド 広島を愛し、広島に愛された男』を読む

ブラッド・エルドレッド~広島を愛し、広島に愛された男 作者: ブラッド・エルドレッド 出版社/メーカー: 洋泉社 発売日: 2018/02/24 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る プロ入り後、アメリカで数多くのチームに在籍したけど、将…

こいつはどこに歩いていこうとしているのか ― 黄金頭『ずったら ずったら 関内関外日記アンソロジー』を読む

黄金頭の『ずったら ずったら』を読んだ。まず第一に言いたいのだが、文字が小さいのだ。そして、その文字がぎゅうぎゅう詰めになっている。11編の断片がそれぞれ勝手に主張していて、それがなにかひとつの「圧」になっている。文章は悪くない。いろいろな作…

チャールズ・ブコウスキー『ワインの染みがついたノートからの断片』を読む

ワインの染みがついたノートからの断片 -未収録+未公開作品集- 作者: チャールズ・ブコウスキー,中川五郎 出版社/メーカー: 青土社 発売日: 2016/07/22 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る おれとブコウスキー、ブコウスキーとおれ(←だれ…

死に向かって、淡々と―レイモンド・カーヴァー『滝への新しい小径』を読む

滝への新しい小径 (村上春樹翻訳ライブラリー) 作者: レイモンドカーヴァー,Raymond Carver,村上春樹 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2009/01/01 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 4回 この商品を含むブログ (9件) を見る 読んでいたようで、読…

『なぜペニスはそんな形なのか』ジェシー・ベリング

なぜペニスはそんな形なのか ヒトについての不謹慎で真面目な科学 作者: Jesse Bering,鈴木光太郎 出版社/メーカー: 化学同人 発売日: 2017/03/02 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る というわけで、なにもかも言ってしまうことから始めよ…

チャールズ・ブコウスキー『指がちょっと血を流し始めるまでパーカッション楽器のように酔っぱらったピアノを弾け』を読む

酒を飲み 競馬をし 詩に賭ける以上に することもなし ブコウスキー詩集―指がちょっと血を流し始めるまでパーカッション楽器のように酔っぱらったピアノを弾け 作者: チャールズブコウスキー,Charles Bukowski,中上哲夫 出版社/メーカー: 新宿書房 発売日: 19…

エミリー・ディキンスンをちょっとだけ読む

シオランの『カイエ』を読んでいると、何回か繰り返し出てくる事柄がある。モンゴル、日本、そして詩人エミリー・ディキンスンである。エミリー・ディキンスンを賛美するというか、心酔しているというか、崇めているというか、えらい調子なのである。そこま…

黄金頭さんが2018年読んだ本から5冊おすすめするの回

ブロガーいうもんは(……以下略)。 というわけで、5冊ほどよかった本をおすすめしたい。もちろんのことながら、おれは新刊などあまり読まない。読めない。死んだ人間の本の方が好きである。 シオラン 5冊、とかいっておいて、いきなり著者名というのはおかし…

シオランの『カイエ』を半分読んだ

カイエ、というのはフランス語で雑記帳、メモ帳、ノート、そんな意味である。シオランの『カイエ』。未発表の雑文がまとめられたものだろうと思って、借りた。書庫から出してもらった。出てきたのは分厚い辞書のようなものだった。「訳者あとがき」までで101…

竹内整一『ありてなければ「無常」の日本精神史』を読む

ありてなければ 「無常」の日本精神史 (角川ソフィア文庫) 作者: 竹内整一 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川学芸出版 発売日: 2015/12/25 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る なんとなく手にとった一冊。 この本で言う「無常」は、釈尊の仏教のコアな…

反出生主義者よ、縮こまることなかれ ベネター『生まれてこないほうが良かった』を読む

生まれてこない方が良かった―存在してしまうことの害悪 作者: デイヴィッドベネター,David Benatar,小島和男,田村宜義 出版社/メーカー: すずさわ書店 発売日: 2017/11/01 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 最近の反出生主義の本というと…

たまには植物の本でも 『植物 奇跡の化学工場』を読む

おれはわりと植物の話が好きである。 べつになにかの園芸植物にのめりこむわけでも、家庭菜園をするわけでも、そこらの樹木の同定ができるわけでもないが、漫然と、漠然と好きだ。 なかでも根粒菌の話などが好きで、「なに? イネ科で窒素固定?」とかいうニ…

『超越と実存「無常」をめぐる仏教史』を読む

超越と実存 「無常」をめぐる仏教史 作者: 南直哉 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2018/01/26 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 「超越と実存」と言われると、なにやら近現代西洋哲学(よくわからない)のような雰囲気があるが、実のと…

シオラン『深淵の鍵』をざっと読む

E.M.シオラン選集〈5〉深淵の鍵 (1977年) 作者: E.M.シオラン 出版社/メーカー: 国文社 発売日: 1977/08 メディア: ? この商品を含むブログを見る 国文社のシオラン選集の最終巻である。このシリーズが出た時点でのシオランネタも尽きた、という感じの一冊で…

シオラン『時間への失墜』を読む

時間への失墜 (E.M.シオラン選集) 作者: E.M.シオラン,金井裕 出版社/メーカー: 国文社 発売日: 2004/07 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 1回 この商品を含むブログ (1件) を見る 「おまえ、立て続けにシオランばっかり読んでるけど、飽きてこないか?…