感想文

こんなに面白い本があるか!(今のおれに)『シオラン対談集』を読む

シオラン対談集 (叢書・ウニベルシタス) 作者: シオラン,Cioran,金井裕 出版社/メーカー: 法政大学出版局 発売日: 1998/07 メディア: 単行本 クリック: 5回 この商品を含むブログ (9件) を見る 今、シオランにハマっているおれにとって、これは非常に、とて…

悔しかったから宣伝してやる! 映画『止められるか、俺たちを』@シネマ・ジャック&ベティ 舞台挨拶回

映画館で映画を観るのは7月の『菊とギロチン』以来だ。『菊とギロチン』はおれが好きで、おれがあるていど知っているアナーキストたちの話だった。だから行った。そして、今日おれが観に行ったのは『止められるか、俺たちを』だ。『菊とギロチン』で村木源次…

E.M.シオラン『歴史とユートピア』を読む

地上楽園の信奉者たちと私との不和の、その深い理由を指摘せねばならぬとしたら、私は次のように明言しよう。すなわち、人間の抱く一切の企図が、遅かれ早かれ人間自身に刃を向けることになる以上は、理想的な社会形態を追求してもむだなことだ、と。人間の…

2018年夏アニメ感想、おすすめは?

2018年、夏アニメの年収は? 恋人はいるの? 5ちゃんねるに書かれているので可能性は高そうです。いかがでしたしょうか? ……というわけで、夏アニメの感想をメモする。順番は下のサイトから。 2018年夏開始の新作アニメ一覧 - GIGAZINE バキ・最凶死刑囚編 …

E・M・シオラン『崩壊概論』を読む

E.M.シオラン選集〈1〉崩壊概論 (1975年) 出版社/メーカー: 国文社 発売日: 1975 メディア: ? この商品を含むブログを見る シオラン、フランス語による初めての著書である。四回書き直したとか言っていた。1947年のことである。 本書はのちのシオランの著書…

スウェード『ザ・ブルー・アワー』を聴くが……重いのだ

【早期購入特典あり】ザ・ブルー・アワー(スウェード - ザ・ブルー・アワー・スペシャル・インストゥルメンタルCD付き) アーティスト: スウェード 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン 発売日: 2018/09/21 メディア: CD この商品を含むブログを…

山本直樹『レッド最終章』を読む

レッド 最終章 あさま山荘の10日間 (KCデラックス イブニング) 作者: 山本直樹 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2018/08/23 メディア: コミック この商品を含むブログ (2件) を見る しばらくまえに気づいた。ひさびさに漫画を売ってる実店舗というところに…

くるり『ソングライン』全曲感想

くるりのニューアルバム『ソングライン』が昨日届いた。昨日届いたばかりだけれども、何周か聴いた。おれは音楽の感想というものをうまく書けたことがないのだけれど(だからといって本や映画の感想がうまく書けたためしもないのだけれど)、それぞれの曲の…

断章は倦怠感にちょうどいい―シオラン『苦渋の三段論法』を読む

ここ何日か……と書いて、「こんなに長く感じるのに、たった何日か!」と思うのだけれど、まあともかくひどい倦怠感、鉛様麻痺、抑うつに襲われている。「襲われる」というほど派手なものではないが、ともかく身体が動かない、身体が重い。重力の偏りを感じる…

シオラン『告白と呪詛』を読む

告白と呪詛 作者: シオラン,Cioran,出口裕弘 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店 発売日: 2012/05/28 メディア: 単行本 クリック: 7回 この商品を含むブログ (2件) を見る もう一つ、原著者の名前について。シオランの洗礼名はエミールであるらしいが、彼は早く…

足立正生『断食芸人』を観る

断食芸人 [DVD] 出版社/メーカー: マクザム 発売日: 2017/04/28 メディア: DVD この商品を含むブログを見る 足立正生の映画というと、やはり芸術性の高い芸術的な映画ということになるのだろうか。おれにはわからん。わからんが、足立正生は言うまでもなく直…

フェルナンド・ペソア『不安の書』を読む

不安の書 作者: フェルナンドペソア,Fernando Pessoa,高橋都彦 出版社/メーカー: 新思索社 発売日: 2007/01 メディア: 単行本 クリック: 21回 この商品を含むブログ (19件) を見る フェルナンド・ペソア『不安の書」である。そう書いてみて、ちょっと説明不…

これは普通のラーメン 映画『羊の木』

「この映画はおもしろいのではないか?」……という判断基準というものがある。そうでなくては、この世のすべての映画を見るか、一切見ないかのいずれかになってしまう。例外として、女が「これを見に行く」と言ったときがある。 さて、おれの中では「おもしろ…

反出生主義、この世に生まれ出るという不運―シオラン『生誕の災厄』を読む

ただひとつの、本物の不運、それはこの世に生まれ出るという不運だ。起源そのものに宿っていた攻撃的要因、膨張と熱狂の原理、起源にゆさぶりをかけたあの最悪のものへの突進、そこまでこの不運の源泉を遡ることができるだろう。 おれはおれを反出生主義者で…

小田嶋隆『上を向いてアルコール』を読む

上を向いてアルコール 「元アル中」コラムニストの告白 作者: 小田嶋隆,木下晋也 出版社/メーカー: ミシマ社 発売日: 2018/02/26 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (7件) を見る おれはアルコール依存症なのか、そうではないのか、お…

夢と狂気の王国、スタジオジブリ

「なぜ高畑勲さんともう映画を作りたくなかったか」――鈴木敏夫が語る高畑勲 #1 ちょっと前に、こんな記事が話題になっていた。スタジオジブリ、鈴木敏夫、高畑勲、そして、宮崎駿。おれはものすごく突出してジブリが好きというわけではないが、標準的にジブ…

『集中講義 大乗仏教 こうしてブッダの教えは変容した』を読む

別冊100分de名著 集中講義 大乗仏教 こうしてブッダの教えは変容した (教養・文化シリーズ) 作者: 佐々木閑 出版社/メーカー: NHK出版 発売日: 2017/02/25 メディア: ムック この商品を含むブログ (2件) を見る 信仰は魂に属するが、宗教は知識である。 ……と…

おまえもイヌにしてやろうか - 深町秋生『ドッグ・メーカー』を読む

ドッグ・メーカー: 警視庁人事一課監察係 黒滝誠治 (新潮文庫) 作者: 深町秋生 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2017/07/28 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (2件) を見る カラオケのモニターを顎で指した。 「気晴らしに一曲歌っていったらどうだ」 …

キム・ギドク『The NET 網に囚われた男』を観る

The NET 網に囚われた男 [Blu-ray] 出版社/メーカー: キングレコード 発売日: 2018/08/08 メディア: Blu-ray この商品を含むブログを見る The NET 網に囚われた男(字幕版) 発売日: 2017/09/13 メディア: Amazonビデオ この商品を含むブログを見る 主人公は…

海外詩文庫『ペソア詩集』を読む

ペソア詩集 (海外詩文庫) 作者: ペソア,澤田直 出版社/メーカー: 思潮社 発売日: 2008/08/01 メディア: 単行本 購入: 2人 クリック: 9回 この商品を含むブログ (11件) を見る 「アルベルト・カエイロは私の師である」。この言葉はペソアの全作品の試金石であ…

上坂すみれ『ノーフューチャーバカンス』

ノ―フューチャーバカンス 【初回限定盤A】 アーティスト: 上坂すみれ 出版社/メーカー: キングレコード 発売日: 2018/08/01 メディア: CD この商品を含むブログ (1件) を見る 上坂すみれのニューアルバムを買った。予約していたので発売日に届いた。届いたも…

南直哉『善の根拠』を読む

善の根拠 (講談社現代新書) 作者: 南直哉 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2014/12/17 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 本書における「倫理」とは、様々な条件に拘束されながら、様々な局面である行為を選択しなければならない時々に、「自己」…

「チームラボ プラネッツ TOKYO (teamLab Planets TOKYO) DMMcom」へ行く

「ここよね?」 「わたしはここだった」 すれ違い、行き違いというのはむなしいものである。おれは女に「チームラボなんとかに行きたい」と言われ、ああ、新豊洲の、と思い予約した。だが、どこで昼飯を食うかで齟齬が明らかになった。チームラボなんとかは…

フェルナンド・ペソア『不穏の書、断章』を読む

フェルナンド・ペソアって誰や。 フェルナンド・ペソア - Wikipedia フェルナンド・アントニオ・ノゲイラ・ペソア(Fernando António Nogueira Pessoa、1888年6月13日 - 1935年11月30日)はポルトガル出身の詩人・作家。 ポルトガルの国民的作家として著名で…

南直哉『恐山 死者のいる場所』を読む

恐山: 死者のいる場所 (新潮新書) 作者: 南直哉 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2012/04/17 メディア: 新書 購入: 2人 クリック: 13回 この商品を含むブログ (16件) を見る 南直哉というと、このあいだキリスト教徒との対談本を読んで知った人である。 gol…

池澤夏樹『ぼくたちが聖書について知りたかったこと』を読む

ぼくたちが聖書について知りたかったこと (小学館文庫) 作者: 池澤夏樹 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2012/12/06 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 4回 この商品を含むブログ (6件) を見る 信仰は魂に属するが、宗教は知識である。 本書の前書きはこ…

アニメーション映画『聲の形』を今更ながらに観るのこと

映画『聲の形』Blu-ray 通常版 出版社/メーカー: ポニーキャニオン 発売日: 2017/05/17 メディア: Blu-ray この商品を含むブログ (2件) を見る おれの親しい人の親しい人、いうなればおれにとってやや親しい人に先天的聴覚障害者の人がいる。補聴器なしには…

アナーキストと女相撲 ― 映画『菊とギロチン』を観る

みなとみらいのブルク13で『菊とギロチン』を上映している、と知ったのは何がきっかけだったか。金曜の夜、あるいは日付が変わっていた時刻かもしれない。ふと調べてみる。上映は一日に一回、そしての時間は13:25~16:45。目を疑った。一般的な二時間映画を…

『禅と福音 仏教とキリスト教の対話』を読む

禅と福音: 仏教とキリスト教の対話 作者: 南直哉,来住英俊 出版社/メーカー: 春秋社 発売日: 2016/08/22 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 南 キリスト教の場合、「神がこの世界をつくった」とか「最後の審判がある」ということ…

「ワールドウィッチーズ みんながいたからデキたこと! ~10thアニバーサーリー~」へ行くのこと

「これが最後かもしれないしな」。 何週間だったか、何ヶ月まえのおれはそう思って、すばらしいストライクウィッチーズのイベントに申し込んだ。申し込んだら当たった。当たったのでチケットを発見した。そして7月8日が来た。 申し込んだのは夜の部だった。…