感想文

映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』を観る

タクシー運転手 ?約束は海を越えて?(字幕版) 発売日: 2018/11/02 メディア: Prime Video この商品を含むブログを見る タクシーからギューンとウィングが出てきて、時速300km/hオーバーでパリを疾走する……映画ではない。なにかレトロで可愛らしいオンボロタク…

『進化倫理学入門』を読んだ……のか?

進化倫理学入門 作者: スコット・ジェイムズ,児玉聡 出版社/メーカー: 名古屋大学出版会 発売日: 2018/01/29 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る この本を読んだ……のか? ということになる。一応、日本語で書かれている文字はすべて目を通…

新しいマズローのピラミッド ダグラス・ケンリック『野蛮な進化心理学』を読む

野蛮な進化心理学―殺人とセックスが解き明かす人間行動の謎 作者: ダグラス・ケンリック,山形浩生,森本正史 出版社/メーカー: 白揚社 発売日: 2014/07/18 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (12件) を見る おれは目下のところ進化心理学が好きだ。そし…

映画『三度目の殺人』を観る

三度目の殺人 発売日: 2018/03/07 メディア: Prime Video この商品を含むブログ (6件) を見る 三度目の殺人 Blu-rayスペシャルエディション 出版社/メーカー: アミューズ 発売日: 2018/03/07 メディア: Blu-ray この商品を含むブログ (4件) を見る もう、テ…

映画『全員死刑』……ラーメンが獣臭い度★★★☆☆

全員死刑 発売日: 2018/05/02 メディア: Prime Video この商品を含むブログ (2件) を見る 全員死刑【Blu-ray&DVD】(期間限定生産) 出版社/メーカー: アルバトロス 発売日: 2018/05/02 メディア: Blu-ray この商品を含むブログ (1件) を見る 『孤高の遠吠』の…

また会おう、カントリー。『ブラッド・エルドレッド 広島を愛し、広島に愛された男』を読む

ブラッド・エルドレッド~広島を愛し、広島に愛された男 作者: ブラッド・エルドレッド 出版社/メーカー: 洋泉社 発売日: 2018/02/24 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る プロ入り後、アメリカで数多くのチームに在籍したけど、将…

こいつはどこに歩いていこうとしているのか ― 黄金頭『ずったら ずったら 関内関外日記アンソロジー』を読む

黄金頭の『ずったら ずったら』を読んだ。まず第一に言いたいのだが、文字が小さいのだ。そして、その文字がぎゅうぎゅう詰めになっている。11編の断片がそれぞれ勝手に主張していて、それがなにかひとつの「圧」になっている。文章は悪くない。いろいろな作…

チャールズ・ブコウスキー『ワインの染みがついたノートからの断片』を読む

ワインの染みがついたノートからの断片 -未収録+未公開作品集- 作者: チャールズ・ブコウスキー,中川五郎 出版社/メーカー: 青土社 発売日: 2016/07/22 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る おれとブコウスキー、ブコウスキーとおれ(←だれ…

死に向かって、淡々と―レイモンド・カーヴァー『滝への新しい小径』を読む

滝への新しい小径 (村上春樹翻訳ライブラリー) 作者: レイモンドカーヴァー,Raymond Carver,村上春樹 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2009/01/01 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 4回 この商品を含むブログ (9件) を見る 読んでいたようで、読…

『なぜペニスはそんな形なのか』ジェシー・ベリング

なぜペニスはそんな形なのか ヒトについての不謹慎で真面目な科学 作者: Jesse Bering,鈴木光太郎 出版社/メーカー: 化学同人 発売日: 2017/03/02 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る というわけで、なにもかも言ってしまうことから始めよ…

幽玄でも無限でもなく - 桜玉吉『伊豆漫玉ブルース』

伊豆漫玉ブルース (ビームコミックス) 作者: 桜玉吉 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2019/01/12 メディア: コミック この商品を含むブログを見る おれと桜玉吉。桜玉吉とおれ。おれは「ファミ通」の「コン」と「信」が行方不明になる前から「ファミ通」…

チャールズ・ブコウスキー『指がちょっと血を流し始めるまでパーカッション楽器のように酔っぱらったピアノを弾け』を読む

酒を飲み 競馬をし 詩に賭ける以上に することもなし ブコウスキー詩集―指がちょっと血を流し始めるまでパーカッション楽器のように酔っぱらったピアノを弾け 作者: チャールズブコウスキー,Charles Bukowski,中上哲夫 出版社/メーカー: 新宿書房 発売日: 19…

エミリー・ディキンスンをちょっとだけ読む

シオランの『カイエ』を読んでいると、何回か繰り返し出てくる事柄がある。モンゴル、日本、そして詩人エミリー・ディキンスンである。エミリー・ディキンスンを賛美するというか、心酔しているというか、崇めているというか、えらい調子なのである。そこま…

正月から『若おかみは小学生!』を観て精神崩壊

ありがちな話ってので、悪の大魔王とか、不幸な身の上の悪鬼羅刹だとか、心を持たぬ殺戮コンピュータなんかに、正義の味方が力や技では勝てなくて、それでも、なんか愛とか慈愛とか、優しさに包んだりして、「わ、私にもまだ心というものが……」とかいって浄…

黄金頭さんが2018年読んだ本から5冊おすすめするの回

ブロガーいうもんは(……以下略)。 というわけで、5冊ほどよかった本をおすすめしたい。もちろんのことながら、おれは新刊などあまり読まない。読めない。死んだ人間の本の方が好きである。 シオラン 5冊、とかいっておいて、いきなり著者名というのはおかし…

黄金頭さんが2018年観た映画から5本おすすめするの回

ブロガーいうもんは、ほうっておくと、年末に一年のまとめなどを書き始めるから注意したほうがいい。しかし、だれにもそれを止める術などないのである。 そして、おれはといえば、このところ最近のこと、ちょっと前のこと、すごく前のことという三段構えで物…

シオランの『カイエ』を半分読んだ

カイエ、というのはフランス語で雑記帳、メモ帳、ノート、そんな意味である。シオランの『カイエ』。未発表の雑文がまとめられたものだろうと思って、借りた。書庫から出してもらった。出てきたのは分厚い辞書のようなものだった。「訳者あとがき」までで101…

朝早くから『ANEMONE/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』を観に行くのこと

映画『ANEMONE/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』 やくしまるえつこ+砂原良徳 『Ballet Mécanique』(short ver.) Animation PV おれは職場のFMラジオから「Ballet Mecanique」の流れるのを聴いた。正確に言うと、おれにとってこの曲は大好きな…

竹内整一『ありてなければ「無常」の日本精神史』を読む

ありてなければ 「無常」の日本精神史 (角川ソフィア文庫) 作者: 竹内整一 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川学芸出版 発売日: 2015/12/25 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る なんとなく手にとった一冊。 この本で言う「無常」は、釈尊の仏教のコアな…

反出生主義者よ、縮こまることなかれ ベネター『生まれてこないほうが良かった』を読む

生まれてこない方が良かった―存在してしまうことの害悪 作者: デイヴィッドベネター,David Benatar,小島和男,田村宜義 出版社/メーカー: すずさわ書店 発売日: 2017/11/01 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 最近の反出生主義の本というと…

たまには植物の本でも 『植物 奇跡の化学工場』を読む

おれはわりと植物の話が好きである。 べつになにかの園芸植物にのめりこむわけでも、家庭菜園をするわけでも、そこらの樹木の同定ができるわけでもないが、漫然と、漠然と好きだ。 なかでも根粒菌の話などが好きで、「なに? イネ科で窒素固定?」とかいうニ…

『超越と実存「無常」をめぐる仏教史』を読む

超越と実存 「無常」をめぐる仏教史 作者: 南直哉 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2018/01/26 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 「超越と実存」と言われると、なにやら近現代西洋哲学(よくわからない)のような雰囲気があるが、実のと…

シオラン『深淵の鍵』をざっと読む

E.M.シオラン選集〈5〉深淵の鍵 (1977年) 作者: E.M.シオラン 出版社/メーカー: 国文社 発売日: 1977/08 メディア: ? この商品を含むブログを見る 国文社のシオラン選集の最終巻である。このシリーズが出た時点でのシオランネタも尽きた、という感じの一冊で…

何映画? でもおもしれえ 『ゲット・アウト』

ゲット・アウト(字幕版) 発売日: 2018/03/28 メディア: Prime Video この商品を含むブログ (3件) を見る ゲット・アウト [Blu-ray] 出版社/メーカー: NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン 発売日: 2018/11/07 メディア: Blu-ray この商品を含むブロ…

シオラン『時間への失墜』を読む

時間への失墜 (E.M.シオラン選集) 作者: E.M.シオラン,金井裕 出版社/メーカー: 国文社 発売日: 2004/07 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 1回 この商品を含むブログ (1件) を見る 「おまえ、立て続けにシオランばっかり読んでるけど、飽きてこないか?…

シオラン『悪しき造物主』を読む

悪しき造物主〈新装版〉 (叢書・ウニベルシタス) 作者: E.M.シオラン,金井裕 出版社/メーカー: 法政大学出版局 発売日: 2017/10/24 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 「こいつ、野球と競馬とシオランの話しかしてねえな」と思われるのであれば、…

シオランの若書き『欺瞞の書』を読む

欺瞞の書 (叢書・ウニベルシタス) 作者: シオラン,金井裕 出版社/メーカー: 法政大学出版局 発売日: 1995/08 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る ……最後の暗礁は、著者その人がこの著作を忘れており、そればかりか、そこにはもう自分の姿は認めら…

こんなに面白い本があるか!(今のおれに)『シオラン対談集』を読む

シオラン対談集 (叢書・ウニベルシタス) 作者: シオラン,Cioran,金井裕 出版社/メーカー: 法政大学出版局 発売日: 1998/07 メディア: 単行本 クリック: 5回 この商品を含むブログ (9件) を見る 今、シオランにハマっているおれにとって、これは非常に、とて…

悔しかったから宣伝してやる! 映画『止められるか、俺たちを』@シネマ・ジャック&ベティ 舞台挨拶回

映画館で映画を観るのは7月の『菊とギロチン』以来だ。『菊とギロチン』はおれが好きで、おれがあるていど知っているアナーキストたちの話だった。だから行った。そして、今日おれが観に行ったのは『止められるか、俺たちを』だ。『菊とギロチン』で村木源次…

E.M.シオラン『歴史とユートピア』を読む

地上楽園の信奉者たちと私との不和の、その深い理由を指摘せねばならぬとしたら、私は次のように明言しよう。すなわち、人間の抱く一切の企図が、遅かれ早かれ人間自身に刃を向けることになる以上は、理想的な社会形態を追求してもむだなことだ、と。人間の…