感想文

踊れアナーキー! 映画『ジョーカー』を観る

なんの休みかしらないが、2019年10月14日、横浜の朝は寒かった。おれは寒さで目を覚ました。目覚ましより30分以上早い。それならば、起きてしまおう。起きて、コンビニに寄って、そうだ、映画館のある桜木町のモスバーガーで朝モスしながら馬券でも買うか。…

『狂い咲け、フリーダム アナキズム・アンソロジー』を読む

狂い咲け、フリ-ダム (ちくま文庫) 作者: 栗原康 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2018/08/08 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る はじめに はじめにファックありき。わたしは正論がキライだ。ファックである。あっ、正論っていっても、雑誌の名…

『大杉栄伝 永遠のアナキズム』、あるいは大杉一派ブック・ガイド

大杉栄伝: 永遠のアナキズム 作者: 栗原康 出版社/メーカー: 夜光社 発売日: 2013/12/24 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 面白そうなものに飛びつく。飛びついてみて、そこからつながっているところにジャンプする。それを繰り返す。そうしてい…

2019年夏アニメ振り返り

2019年夏アニメを振り返りたいと思う。全体的に見て、良作が多かったように思う。その前に比べると、そんな感じかな、と思う。 2019夏アニメ一覧|前期(7月放送開始)アニメ情報 | アニメイトタイムズ こちらから五十音順に見たものを振り返る。 ヴィンラン…

文明の恐怖に直面してなけど『文明の恐怖に直面したら読む本』を読んだ

文明の恐怖に直面したら読む本 (ele-king books) 作者: 栗原康,白石嘉治 出版社/メーカー: Pヴァイン 発売日: 2018/08/29 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 文明の恐怖に直面している自覚はないが、『文明の恐怖に直面したら読む本』を読んだ。…

『時効警察・復活SP』おもしろかったよな 〜人生はくだらないおしゃべりに尽きるのだ

www.tv-asahi.co.jp 昨日、「テレビ朝日が映らない」みたいな記事書いたんだけど、まあ実際は映ってて、もし、映ってなかったら『時効警察・復活スペシャル』見られなかったから、そりゃあ残念だったなーと思った。 いや、おれ、『時効警察』好きなんよ。あ…

魂はどこにあるんだい? 映画『アド・アストラ』

映画『アド・アストラ』をIMAXシアターで見てきた。 プロデューサーにして主演のブラッド・ピットといえば『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』で見かけたばかりだし、「アストラ」を含むタイトルのSF作品というと『彼方のアストラ』を見たばか…

おれは老害SF警察だった! 『彼方のアストラ』感想

ちょっと前からネット上というか、Twitter上で『彼方のアストラ』が話題になっていた。薄目で見てみると、どうも「SF警察」などという単語が見える。ということは、『彼方のアストラ』が「SFかどうか?」的な話のようだ。そのうえで、「それじゃあ新しくファ…

鈴木大介『ギャングース・ファイル 家のない少年たち』を読む

ギャングース・ファイル 家のない少年たち (講談社文庫) 作者: 鈴木大介 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2015/05/15 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (2件) を見る おれが生きてきたなかで、一番怖かった不良体験を書く。それは、おれが東海道線の下…

外山恒一『良いテロリストのための教科書』を読む

良いテロリストのための教科書 作者: 外山恒一 出版社/メーカー: 青林堂 発売日: 2017/09/09 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (3件) を見る 本書を手にとる人のほとんどは、2007年(平成19)年の東京都知事選への立候補によって私の…

実写版『デビルマン』……なんでも解説付きだと見られるもんよな

こちらの記事を読んだ。 nlab.itmedia.co.jp ――実写版デビルマンは深い、ということですか? 一見して分からない事が多過ぎるだけで、深くはないです。 このやりとりを読んで、なぜわからないが「観なくては」と思うようになった。都合のいいことにアマゾン…

『死と生きる 獄中哲学対話』(池田晶子・陸田真志)を読む

死と生きる―獄中哲学対話 作者: 池田晶子,陸田真志 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1999/02/01 メディア: 単行本 購入: 4人 クリック: 120回 この商品を含むブログ (35件) を見る 獄中哲学対話といっても、池田晶子さんは獄中にいないので、獄内獄外対話と…

映画のもっとも美しい瞬間の一つ 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』を観る

www.onceinhollywood.jp シャロン・テートが映画館に自分の作品を観に行くシーンがある。あまり大きな劇場ではない。客も満員というわけでもない。それでも、シャロンは幸せそうにスクリーンを観る。自分のコミカルな演技で、客が笑う。シャロンも笑う。アク…

『高畠素之の亡霊 ある国家社会主義者の危険な思想』(佐藤優)を読む

高畠素之の亡霊: ある国家社会主義者の危険な思想 (新潮選書) 作者: 佐藤優 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2018/05/25 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 優雅で感傷的な日本のアナーキストが好きなおれにとって、高畠素之というのは「その周…

ブラッドリー・クーパーよかったよな! 『アリー/ スター誕生』

アリー/ スター誕生(字幕版) 発売日: 2019/04/03 メディア: Prime Video この商品を含むブログを見る おれはあまり今どきの、今どきといってもここ十年とかそれ以上のアメリカのヒットチャートには興味がない。ポップスなのかR&Bなのかわからないが、完成度…

『13日間で「名文」を書けるようになる方法』(高橋源一郎)を読む

横浜市中央図書館の三階ってのは妙な階で、横浜市にまつわる資料と、昔の新聞の縮刷版とかいうやつと、なぜか言葉についての本が置いてある。なんで言葉に関する本が三階にあるのかおれにはわからない。おれはこの間、三階に久々に寄ってみた。そしたら、こ…

マルク・マソン『双極性障害』を読む

おれは双極性障害を患っている。なので、双極性障害について語られているものを読むと、いっちょかみしたくなる。が、おれはあくまで高卒の一患者なのである。医師でもカウンセラーでもなんでもない。単なる当事者だ。だが、当事者は語りたい。そして、語る…

ケン・リュウ『紙の動物園』を読む

紙の動物園 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ) 作者: ケンリュウ 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2015/05/29 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (10件) を見る ケン・リュウの短編集である。短編集のタイトルになった「紙の動物園」がトップ・バッター…

いま話題の中国SFとは? 『折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー』を読む

折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ 5036) 作者: 郝景芳,ケンリュウ,牧野千穂,中原尚哉,大谷真弓,鳴庭真人,古沢嘉通 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2018/02/20 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ …

お医者さんを信じていいの? 『「最悪」の医療の歴史』を読む

「最悪」の医療の歴史 作者: ネイサンベロフスキー,Nathan Belofsky,伊藤はるみ 出版社/メーカー: 原書房 発売日: 2014/01/28 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 古代ギリシア時代からリンカーンの頃まで、医療は人間に益より害を与えることのほ…

映画感想文『天気の子』

美しい娘の物語は、年とった人たちの心にも、豊かな期待を起こさせるものと見えて、このわたしどもの国にも、そうした話がたくさん残っていて、幼い耳へ順ぐりに、吹き込まれ吹き込まれして参りました。これも、そう言う噂の一つなのです。 「神の嫁」折口信…

ダンセイニ卿『ウィスキー&ジョーキンズ』を読む

お前はダンセイニ卿を知っているだろうか? ロード・ダンセイニを? 知らないというのであれば、ともかく『ペガーナの神々』を、『世界の崖の物語』を、『夢見る人の物語』を読むべきである。こんなブログを読んでいる暇があるのならば、すぐさまブラウザを…

映画『ペンギン・ハイウェイ』を見るのこと

映画『ペンギン・ハイウェイ』を見た。事前知識としては、「ペンギンが出てくる」、「おっぱい」の二つくらいであった。 われながらむずかしい書き出しをしてしまった。どう話を繋げろというのか。ペンギンは出てきた。おっぱいはどうだったのか。 そもそも…

おまえ、マイティだったんか! 『凪待ち』ふたたび

今日、こんな記事を読んだ。 www.tbsradio.jp 宇多丸が映画『凪待ち』について語っている……のの書き起こしである。そこにこんなことが書かれていた。 とにかく、競輪場がないはずの石巻に、それでもやっぱりぽっかり口を開けて待っている、社会の落し穴。こ…

2019年春アニメ完走の感想

2019年春アニメ……は、やや不作という意見をちらほら見かける。おれとしても、気づいてみたら視聴継続しているアニメがかなり少なくなっていた。メモを残す。 2019春アニメ一覧|前期(4月放送開始)アニメ情報 | アニメイトタイムズ こちらのサイトを参考に…

50年代ハリウッド好きにはたまらないかも? コーエン兄弟『ヘイル、シーザー!』

ヘイル、シーザー! (字幕版) 発売日: 2016/07/20 メディア: Prime Video この商品を含むブログ (2件) を見る おれは一時期コーエン兄弟にはまっていて、心の監督ベストテン第一位だったこともある。が、いつの間にかランクが下がっていて、この『ヘイル、シ…

マ・ドンソクを味わうなら、キム・ギドク『殺されたミンジュ』を

殺されたミンジュ 発売日: 2018/01/17 メディア: Prime Video この商品を含むブログを見る このところ、マ・ドンシクが熱いらしい。よし、おれもマ・ドンソクを見るか、ということになる。検索してみると、『殺されたミンジュ』という映画が出てくる。なんと…

シューベルトの、眼鏡! 『ウィーン・モダン クリムト、シーレ世紀末への道』展(国立新美術館)に寄るのこと

www.nact.jp クリスチャン・ボルタンスキー展を見終えたあと、女がいろいろの展覧会のパンフを手にしながら言った。「これ、おもしろそうじゃない?」。 それは、『ウィーン・モダン クリムト、シーレ世紀末への道』だった。いつ、どこでやっているのか。今…

クリスチャン・ボルタンスキー展『Lifetime』(国立新美術館)へ行く

www.nact.jp 女が「ボルタンスキー展に行かないか」というので、「ああ、ボルタンスキー、いいですね」と応えた。断っておくが、おれはマルゼンスキーやヤマニンスキーを知っていても、ボルタンスキーというのは聞いたことがなかった。 というわけで、久々の…

香取慎吾のクズっぷりはどうだったか―映画『凪待ち』を観る

映画『凪待ち』予告(30秒) 映画『凪待ち』を観てきた。おれがおそらくいま世界中で一番好きな監督であろう白石和彌作品である。 そして、香取慎吾の主演作品なのである。香取慎吾と映画……というと、あまり観ていないのになにか言うのもどうかと思うが、あ…